米国時間1月9日付の記事で、Washington Postの記者がある衝撃的なニュースを詳細に報じた。米連邦捜査局(FBI)が、Best Buyのサービス部門であるGeek Squadで管理責任者を務める人物に報酬を支払って、児童ポルノが保存されている可能性のある顧客のコンピュータについて報告させていたというのだ。これはつまり、報酬を得た情報提供者が、礼状もなしに、政府に代わって調査をしていたということなのだろうか。
Geek Squadに修理を依頼するとき、作業依頼書には次のような文言がある。「依頼者は、製品に児童ポルノが含まれていた場合、その製品が当局に引き渡されることを了承します」。Best Buyは、その顧客が製品の修理(この場合は古いハードドライブから新しいものへのデータの転送)を認めていたことを理由に、自分たちの行為には何の問題もないと主張している。
だが、Geek Squadの技術者が見つけた画像は、そのドライブの未割当領域、つまり顧客が残したいと思っていたファイルを収めた領域ではなく、ファイルシステムが新しいデータのために使える領域にあった。未割当領域にあるファイルへのアクセスは、明らかに顧客が依頼した作業の範囲を超えており、削除されたデータを復旧するソフトウェアの使用についても同様だ。また、連邦控訴裁判所も、データが未割当領域にある場合には、ユーザーがその存在を知っていたことを証明するには不十分だとする判断を示している。
最終的にカリフォルニア州の検察は、この技術者が見つけた画像を証拠として2012年2月に捜索令状を取り、それから3年近くも経ってから起訴に至った。今週開かれる公判では、FBIとBest Buy、そして問題の画像を提供する以前にFBIから500ドルを受け取っていた情報提供者との関係が、精査されることになるだろう。
不可解に思われるのは、どうしてGeek Squadの技術者たちには、児童ポルノと思しきものを探すために未割り当て領域を調べる時間があったのか、という点だ。筆者はこれまでに数種類のデータ復旧ソフトウェアを利用した経験があるが、復旧プロセスはいずれも短時間で終わるようなものではなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」