マイクロソフト、プライバシー関連の新たな取り組みを発表

ZDNET Japan Staff2017年01月11日 12時08分

 Microsoftは米国時間1月10日、プライバシーに関する新しい取り組みを発表した。自分のアクティビティデータを把握、管理できるダッシュボードを提供するほか、「Windows 10」ではプライバシーの新しいセットアップ手段を導入するという。MicrosoftでWindows & Devices担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めるTerry Myerson氏が、公式ブログで発表した。

 1つ目の取り組みとなるダッシュボードは、位置情報、検索やブラウジングの履歴、「Cortana Notebook」データなど、ユーザーが自分の活動に関するデータを把握し、管理できるものだ。ウェブベースのサービスで、Microsoftアカウントでサインインする必要がある。

 2つ目として、Windows 10で新しいプライバシー設定手段を導入する。既存の「Express Settings(簡単設定)」に代わるものとなり、使用しているWindowsのバージョン次第で若干異なるという。「Windows 7/8」からアップデートする、あるいはWindows 10を新しくインストールする場合、新しいセットアップではシンプルだが重要な設定が分かりやすく表示され、設定を選択しなければセットアップを進められない。Windows 10をすでに利用している場合は、プライバシー設定を選択するよう通知で促されるようになる。

 診断データレベルについても、これまで全部で3段階(Basic、Full、Enhanced)用意していたレベルを、BasicとFullの2段階に簡素化する。これにあたり、EnhancedのユーザーにはBasicまたはFullに変更できるオプションを「Creators Update」で提供するという。合わせて、Basicではデータ収集の対象を縮小する。これには、Windowsのオペレーションに極めて重要なデータが含まれる。データの用途については、「Windowsとアプリを安全に、最新のものにするため」「デバイスの機能をMicrosoftに知らせている場合は適切な稼働を助けるため」と説明している。このオプションには、Microsoftに返す基本的なエラーレポートも含まれる。

 これらのWindows 10の変更はまず「Windows Insider」で近く導入され、「Windows 10 Creators Update」が入手可能になる際に全ユーザーに向けてロールアウトされるという。

 MicrosoftのWindows 10でのユーザーデータ収集については以前から問題視する声があり、電子フロンティア財団もWindows 10が大量の情報をMicrosoftに送り返しており、ユーザーのプライバシーを軽視しているとしてMicrosoftを非難していた。

 Myerson氏はブログで、「Microsoftは顧客のプライバシーの保護に全力を注いでいる」としている。「信頼は『More Personal Computing』ビジョンの中核をなすもの」と述べ、「Windows 10をこれまでで最も安全なWindowsにしようと取り組んでいる」と約束している。

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