児玉氏:社内のアライアンス担当部門からEyefiより協業契約の打診を受けたことを聞いた時には、正直驚きました。その話の中で、Eyefiの技術の中でもしライセンス契約をするならどういった機能が望ましいかと意見を聞かれ、一番必要なのはEyefi Connectedだろう、と回答しました。
上岡氏:実際、Eyefi Connectedがどういったものなのかというのを、誰も教えてくれませんでした。カメラメーカーからも言えないといわれていたので、どうやってやっているのかと思っていました。そこが結局ライセンスされることで明らかになり、こういうことだったのかと。それが感想ですね。
児玉氏:和解の対応をしたのは前述のアライアンス担当部門になります。社内的なファイヤーウォールがあり、営業部門としてはEyefiは無線LAN内蔵カードというカテゴリにおいては競合の内の一社と見ていました。打倒Eyefiと思って営業をしていましたので、今回の話(ライセンス契約)を聞いた時は、驚きました。
上岡氏:開発サイドからすると、先ほど説明したとおり、Eyefiカードが実現していることをFlashAirで何一つやっていないので、ライバルだとはずっと思っていませんでした。ライバル視していたら、たぶん自動転送機能を付けて、アプリを作って、クラウド連携させていたと思います。違う使用感でというところに振ってしまっているので、ユーザー層も異なるため、共存できる。無線カードとして市場が盛り上がればいいかなと思っていました。
児玉氏:プロのカメラマンが利用しているカメラの中には、製品ライフサイクルが2~3年と長いモデルがあります。スマートフォンのマシンパワーが上がってくると、そうしたモデルを利用して、スマートフォンにRAWデータなどを送りたいといった需要が生まれてきます。そういった、古い機種は、ファームウェアの更新によりFlashAirの対応は難しいのですが、Eyefi Connectedに対応しているモデルが幸いにして多いので、われわれがライセンスで利用できるようになれば、ファームウェアの大幅な更新が難しい、一世代前のカメラにも対応できるようになる。画像データ転送中の電源コントロールが可能になります。
児玉氏:Eyefi Connectedも色々とありますが、その中で実装することを決めたのは電源に関するものになります。
上岡氏:それは年中しています。まず海外の場合、SDカードは、カメラにバンドルされて、販促用として利用されるケースが多くあります。そういう意味では、それがひとつのチャンスで、だいたい初めの1枚というのは長く使っていただける。なので、手にとって知ってもらうために、カメラメーカーにこういった製品があるんですよとアピールさせてもらいました。もちろん、FlashAirは各国で無線認証をとっていますから、幅広く利用できますという話もしました。
ワールドワイドで売り先が広がっていく、すると販売数としても増えますし、ユーザー数も増えます。ユーザーからのフィードバックも日本だけでなく、海外からも来るようになりまして、そういったところが製品のブラッシュアップにつながっていきました。
無線機能内蔵カメラは増えてきましたが、どうしても上位クラスに限定されています。あるエリア(海外)の話ですが、上位クラスなのに無線機能が入っていないということに対して、FlashAirを付けて無線にも対応──ということもあるようです。
無線機能を内蔵していないカメラであっても、現地のユーザーニーズに対応する使い方をしてもらうためにも、各カメラメーカーへの売り込みは継続しています。
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