そこから、Eyefi連携機能(Eyefi Connected)に至るまでの話は、FlashAirを出した後のユーザーの声が元になっています。カメラからの電源供給によって、どんなカメラでも利用できることがFlashAirのメリットだったのですが、年々カメラに搭載された省電力機能(オートパワーオフ)がネックになってきました。低消費電力化という意味で、カードへの給電、モニタへの給電が厳しくなってきて、特に売れ筋の製品ほどカードへの給電が止まりやすいという面がありました。
電源を入れて、15秒、20秒でカードへの給電が切れてしまう。すると、スマートフォンアプリを起動して、FlashAirにアクセスしようとした時には、無線が見えなくなってしまいます。当然「どうなっているの?」「何だこの不良カード」はというクレームになるわけです。ただ、カードへの給電が止まっているだけなので、省電力モードをオフにしてください、オートパワーオフまでの時間を延ばしてくださいという案内を長い時間をかけてしてきました。
しかし、何年経ってもその部分の話は減らない。今まで解消されずにきた問題を、どうやって解消すればいいのか。そうした時に、先駆者であるEyefiをみると、カメラメーカーと連携を密にして、カメラ側にEyefiカードとの連携機能を搭載してもらうことによって、Eyefiカードを利用している間は給電を止めないことを実現していたわけです。
なので、弊社が選ぶ選択肢は2つあって、ひとつは、すべてのカメラメーカーにFlashAirを利用している間は給電が止まらないようにしてもらうこと。もうひとつは、Eyefiと同じ仕様にすることです。しかし、後者の選択肢は普通、考えたがらないですよね。ですから、われわれは、カメラメーカーにFlashAir用の機能を搭載してくださいという話をしました。
SDアソシエーションには、無線カードを使うための標準規格「iSDIO(インテリジェントSDIO)」規格があるので、規格を標準化すればカメラメーカーも搭載してくれるだろう、という期待感があったのですが、意外と対応が進まずにいました。というのも、すでにカメラメーカーはEyefiカードの対応として、カメラを作り込んでいる状況です。そこに、あえてまたFlashAirのために工数をかける必要があるのか。iSDIO規格の対応が必要なのかといった意見があったようです。
その頃、FlashAirはまだそれほど世の中に出ていない状況だったので、ならたくさんFlashAirを売って、メジャーになればカメラメーカーは対応してくれるだろうと考えました。
これが、Eyefi連携機能(Eyefi Connected)を搭載する前の話になります。
Eyefiカードはクラウド連携のあとに、スマートフォンへのダイレクトモードを搭載しましたが、あれはある程度FlashAirを意識していたのかなと。その辺が、ライバルのように比較される要因になったのだと思います。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境