米大統領選でロシアが共和党のDonald Trump氏に有利になるよう影響を及ぼそうとしていたことを、Barack Obama米大統領はなぜ選挙の前に言わなかったのか。これは、米国時間12月16日の記者会見で、記者らがObama氏に答えを迫った質問の1つだ。
「そんなことをすれば、すぐに新たな政治的混乱につながっていただろう」とObama氏は答えた。
Obama氏のコメントは、民主党全国委員会(DNC)や同党関係者へのハッキングに果たしたロシアの影響をめぐる論議が巻き起こった1週間を締めくくるものだ。記者団は16日、ロシアがハッキングに関与していると政府が確信している理由を示すのにどれだけの情報の機密指定を解除するのか、米国がロシアに対してどのように報復するのか、ハッキングや民主党のメールや文書の流出にロシアのVladimir Putin大統領が直接関与していると考えているのかどうか、Obama氏に回答を迫った。Obama氏は回答の中で、政府が知る情報をすべて明らかにするわけではないという自らの判断を擁護した。
Obama氏による会見の進め方は、予備選でのハッキングについて国民と情報を共有するというものだった。特に、ロシアがハッキングを実行した理由を推測しないという自らの決定については、広く理解を求めた。
「私が皆に理解してもらいたいのは、われわれがこの件について正しい対応をしたということだ。われわれは対処すべき方法で対処したと考えている」と、Obama氏は記者団に語った。
大統領府の方針に対して、「どう評価するかの判断は、あなた方(記者)と米国民に」委ねられた、とObama氏は記者団に語った。
Obama氏は、なぜロシアが民主党候補のHillary Clinton氏に対する共和党候補のTrump氏の勝利を助けようとしていたと言わないのかと、別の記者に問われると、「いい加減にしてほしい」と言い返した。
実際のところ、このハッキング攻撃に対するObama氏の考えと行動の全容は今後も明らかにされないようだ。Obama氏は15日、National Public Radio(NPR)に対し、米国は「われわれが選ぶ時と場所で」ロシアの行為に対して報復すると語り、その約束を16日にも繰り返した。また、公表される報復措置とは限らないとし、ハッキングに関するどの情報を機密指定から解除するか慎重に判断しなければならないと述べた。
「われわれは、安全に提供できて、情報源や方法を危険にさらさない証拠を提供する」(Obama氏)
一方のTrump氏は、ロシアが実際にハッキングに関与しているのかどうかは不明だと言い続けている。Obama氏は16日、次期大統領がそういう態度をとる理由を、大統領職に「移行する状態」にあるからだと説明した。
「だが、Donald Trump氏が宣誓して第45代米国大統領に就任すれば、今とは違う責任を負い、考え方も変えざるを得なくなる」(Obama氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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