Evernoteは、先ごろ提案していたプライバシーポリシーの変更を撤回した。この変更は、同社の一部社員がユーザーのプライベートなノートを閲覧できるようにするものだった。
同社は米国時間12月15日遅くに掲載したブログ記事で、この変更案は「誤り」だったとして、実行しないことを発表した。
「われわれはしくじった」と、Evernoteで広報を統括するGreg Chiemingo氏は述べた。
同社はその代わりに、「既存のプライバシーポリシーを改訂し、顧客の懸念に対処するとともに、顧客のデータがデフォルトでプライベートな状態に保たれることを確実にするほか、顧客がEvernoteに置いていた信頼が十分に根拠あるものだということを明確に示すつもりだ」という。
今回の騒動は今週、Evernoteが機械学習プロセスの向上を目的にプライバシーポリシーを変更するというニュースが流れたことを受けて始まった。この向上のために同社は、身元調査を受けた少数の社員がユーザーのコンテンツを閲覧できるようにして、機械学習テクノロジーが正しく機能していることを確認するとしていた。
しかし、この計画は実行されないことになったとChiemingo氏は述べている。
「どの社員も、ユーザーがオプトインしない限り、このプロセスの一環としてノートの内容を閲覧することはできない」と、同氏はブログ記事で述べた。
1月下旬に有効になる予定とされていた新しいプライバシーポリシーは、どう見ても強制的だった。ユーザーはプライバシーのためにオプトアウトしてサービス低下に甘んじるか、新しい条項を受け入れて社員が自分のノートを閲覧するのを認めるかという、限られた選択を強いられることになっていた。
Chiemingo氏はこう述べている。「機械学習の活用によって、Evernoteの顧客に何を提供できるかと楽しみにしているが、顧客に許可を求めるべきであり、許可を得ていると想定すべきではない。顧客を落胆させたことを申し訳なく感じており、このためプライバシーポリシー全体を見直しているところだ」
同社の広報担当者は、新しいプライバシーポリシーが取り沙汰されていた間、サービスを退会した人が何人いたかは明らかにしなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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