NTTドコモは11月30日、災害拠点病院をカバーする既設の携帯電話基地局を「中ゾーン基地局」として整備し、予備電源の強化に取り組むと発表した。一部については、電源喪失時にも72時間の通信サービス継続を目標とし、同日から2020年3月までに全国の対象712カ所の整備を進めるという。
NTTドコモは、東日本大震災以降、市町村役場などの重要拠点の予備電源強化をはじめ、ネットワークの信頼性向上に取り組んでいる。2015年11月からは「24時間以上の予備電源」「二重化された伝送路」「アンテナ角度の遠隔操作機能」を備えた中ゾーン基地局の全国展開を進めていた。さらに、周辺エリアの救済を可能とすることで、災害時のサービス継続を実現している。
同社によると、こうした取り組みにより、2016年4月の熊本地震の際には、熊本県および、大分県の全市町村役場におけるサービス中断は発生しなかったという。そこで今回は、ネットワークの信頼性向上のさらなる取り組みとして、災害拠点病院をカバーする既存の基地局を中ゾーン基地局として強化することになった。
各都道府県によって指定された災害拠点病院は、災害時派遣医療チームDMATが活動する拠点となり、全国に712カ所存在する。この拠点エリアを中ゾーン基地局によってカバーし、一部については人命救助のひとつの目安とされる72時間を目標に予備電源強化を実施することで、災害時の医療救護活動の環境をサポートする。
同社では、中ゾーン基地局における展開計画を拡大し、2020年3月までに全国で2000カ所以上となるよう進めるとしている。
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