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日本発の囲碁AI「DeepZenGo」がトップ棋士と初対局へ--半年で“ハンデなし”レベルに

藤井涼 (編集部)2016年11月09日 18時30分
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 ドワンゴは11月9日、世界トップレベルの囲碁AIの開発を目指す日本発のプロジェクト「DeepZenGo(ディープゼンゴ)プロジェクト」の進捗状況を紹介。また、コンピュータ囲碁ソフト「DeepZenGo」とトップ棋士・趙治勲名誉名人が、ハンデなしで初対局する「第2回囲碁電王戦」を、11月19、20、23日に開催することを発表した。全対局を「ニコニコ生放送」で完全中継するという。

コンピュータ囲碁ソフト「Zen」の開発者・加藤英樹氏(左)とトップ棋士・趙治勲名誉名人(右)
コンピュータ囲碁ソフト「Zen」の開発者・加藤英樹氏(左)とトップ棋士・趙治勲名誉名人(右)

 ドワンゴは3月1日、日本棋院の協力のもと、コンピュータ囲碁ソフト「Zen」の開発者である尾島陽児氏と加藤英樹氏を中心としたDeepZenGoプロジェクトを発足し、世界トップレベルの囲碁ソフトを開発することを発表した。プロジェクトメンバーは、人工知能の研究者で東京大学准教授の松尾豊氏と同大学の学生、ドワンゴのエンジニアなどで構成されている。

 同プロジェクトでは、ドワンゴがハードウェアや開発スペースなどの開発環境を提供。松尾研究室は、世界トップ棋士を破ったグーグルの囲碁AI「AlphaGo」など囲碁ソフトの論文を研究して手法を検討した。日本棋院は棋譜データなどを提供するとともに、棋士による対局などで協力したという。さらに、尾島氏と加藤氏によるアルゴリズムの改善などによって、AIの能力を向上させてきた。

 こうした活動の結果、開発着手から約半年後の9月時点で、棋力の指標となるレーティングが2400~2500から3000へと大幅に向上し、プロ棋士と対局できるレベルに達したという。

「DeepZenGo」の進化の過程
「DeepZenGo」の進化の過程

 ドワンゴ代表取締役会長の川上量生氏は、DeepZenGoの棋力について、「2015年10月時点のAlphaGoには並んだと思っているが、2016年3月時点のAlphaGo(のレベル)にも、近い将来には到達できると期待している」と手応えを語る。また、将来的にはAlphaGoとの対決も実現させたいと意欲を見せた。

 第2回囲碁電王戦でDeepZenGoと対決する趙治勲氏は、史上最多となる74タイトルを獲得。また史上初の棋聖・名人・本因坊の3大タイトル独占や、7大タイトル制覇、本因坊10連覇などの戦歴を誇る。2016年に満60歳を迎えたことを機に名誉名人を名乗った、日本囲碁業界を代表するトップ棋士の1人だ。

  • プロジェクトメンバーの代表者

  • 対局のルール

  • 「DeepZenGo」で使用されるマシンスペック

 3月に開催された第4回電聖戦で、小林光一氏がZenと対局した際に、解説をしていたという趙氏。DeepZenGoについては「3月の時点では小学生の可愛い坊やだったのが、いまでは大学を卒業して博士になっちゃったような感じで、ちょっと憎たらしい(笑)」と語り、半年ほどで急速にレベルアップしていると評価。初対局については、「負けるわけにはいかない。もう人間と打つのは飽きていたので、コンピュータと打つのはすごく楽しみ」と意気込みを語った。

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