自分の共有する動画は少し退屈なのではないか、と不安になることはないだろうか。Facebookは近くモバイルアプリをアップデートし、パブロ・ピカソやフィンセント・ファン・ゴッホの創造力を利用できる機能を提供する。
同社は「Android」版と「iOS」版のFacebookアプリに組み込む「Caffe2Go」という人工知能(AI)技術によって、ユーザーが自分の動画を見ながら、ピカソやゴッホなど複数の画家のスタイルを適用して加工できる機能を提供する。ポルトガルのリスボンで開催中の「Web Summit」カンファレンスで現地時間11月8日、最高技術責任者(CTO)のMike Schroepfer氏がこの機能を発表した。
子供の誕生日会の動画がメトロポリタン美術館に展示されることはないが、友達のニュースフィードでこれまでより注目を集める可能性はある。
この機能は、AI分野における猛烈な進化のペース、とりわけ人間の脳からインスピレーションを得たニューラルネットワークと呼ばれるアプローチを具体化したものだ。写真を有名な画家のスタイルに加工するAIソフトウェアは2015年の学術論文で言及され、2016年に「Prisma」アプリによって急激に人気を拡大させた。この機能は当初、中央のサーバを利用して高負荷な計算処理を行っていたが、Prismaは現在、スマートフォンのプロセッサで動作するようになっており、動画サポートも追加された。
Facebookのエンジニアが6月に興味を持ち、ようやくその機能を提供する準備が整ったと、Schroepfer氏は記者会見で語った。「これはパワーの大躍進だ。これは私のスマートフォンでリアルタイムに動作する本物のニューラルネットである」(同氏)
Googleの研究者も、AIによるスタイルの模倣への取り組みを加速させようとしている。Facebookと同様、GoogleもAI分野の巨大勢力であり、この近未来的な技術を既に現実世界のタスクに利用している。
FacebookはAIに大きな期待をかけており、同じく8日、AIを利用して、視覚障害があるFacebookユーザー向けに写真のキャプションを生成する機能を発表した。だが、同社はロボットに乗っ取られることを現時点では心配していない。Schroepfer氏は、「これらのシステムの問題は、驚くほど簡単に騙されることだ」と述べ、墜落する飛行機が橋を破壊した瞬間の写真を見せた。キャプション生成機能は、それを滑走路上の飛行機としてしか認識していなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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