人気のフリマアプリ「メルカリ」で、2016年7月にそれまで禁止されていたゲームアカウント売買が解禁されていたことが話題となっている。この問題が議論されている理由と、10代に与える影響と問題について考えていきたい。
メルカリの利用規約9条では、出品禁止商品として、「物品ではないもの(情報、サービスの提供、会員権などを含むがこれらに限られないものとします)」となっている。一見、電子データ類の出品は禁止のようだが、同社サポートによると「原則可能」だという。実際、以前は通報フォームに「ゲームアカウント」という選択肢があったが、現在はなくなっており、事実上容認されている状態だ。
同社によると、「お客様からの要望が多かった」ためと、「他社の販売動向などを勘案した結果」解禁したという。もちろん、他のオークションサイトやフリマサイトでもゲームアカウントの売買はされている。たとえば「ヤフオク!」で「Pokemon GO アカウント」で調べると、多数の出品が見つかる。中には多数の入札があるものや、すでに落札済みのものもある。出品されているものを見てみたところ、全ポケモンをコンプリートしているもの、カイリューなどの強いポケモンが多数いるものなどが多かった。
しかし、「Pokemon GO」「パズドラ」「モンスト」など多くのゲームでは、規約でアカウントの売買を禁止している。RMT(リアルマネートレード)を許すと、ゲーム自体のバランスが崩れたり、詐欺行為などにもつながるためだ。
メルカリだけが問題なのではないが、この解禁が10代に与える影響は少なくないようだ。Yahoo!知恵袋などを見ると、規約が改変された今年の夏前後から、
「メルカリではゲームアカウント販売できますか?」
「メルカリでゲームアカウントが販売可能になっていたみたいですが…」
「ゲームアカウントを販売してもいいことを知りました。ぜひ売ってみたいのですが…」
など、売れることに半信半疑のユーザー、売れるなら売りたいというユーザーであふれている。
ヤフオク!とメルカリでは、ユーザーの年齢層が異なる。そもそもヤフオク!では、規約により出品は「満年齢18歳以上であること」、落札は「15歳以上であること」と明記されている。未成年が入札・落札を行う場合は、保護者などの法定代理人の同意を得る必要があるとされており、未成年のサービス利用は制限されている状態だ。
一方、メルカリの規約では、「ユーザーが未成年である場合は、事前に親権者など法定代理人の包括的な同意を得たうえで本サービスを利用しなければなりません。ユーザーが未成年である場合は、親権者の同意の有無に関して、弊社から親権者に対し、確認の連絡をする場合があります」と記載されているのみで、事実上サービスの利用に年齢制限は設けられていない。
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