ボーズは11月1日、ワイヤレススピーカ「SoundTouch」シリーズに、音楽ストリーミングサービス「Spotify」と連携した新機能を追加したと発表した。専用アプリをアップデートすると利用できる。
SoundTouchシリーズは、ボーズが2014年に発売を開始したワイヤレスオーディオシステム。現在「SoundTouch 10/20 Series III/30 Series III」などをラインアップしている。BluetoothとWi-Fiを備え、ホームネットワーク内にあるPCやNAS、スマートフォンなどに内蔵されているオーディオファイルをワイヤレスで再生することが可能。複数台を組み合わせて使える「マルチルームリスニング機能」などを備える。
追加されたのは、Spotifyとの連携機能。ボーズとSpotifyの共同開発により、両方のアプリを統合し、SpotifyのアプリからSound Touchを操作できるほか、SoundTouch appからはSpotifyの楽曲やアルバム、プレイリストを検索して再生できるようになった。
加えて、スマートフォンやタブレットなどのデバイスなしに、SoundTouchのみでSpotifyにアクセスし、音楽を聴くことも可能だ。アプリ上でSpotifyのプレイリストを選び、SoundTouchに6つ設けられているファンクションキーのいずれかにドラッグ&ドロップすると、次回からファンクションキーを押すだけで、プレイリスト内の楽曲がスピーカから流れる仕組み。ネットへの接続が必要だが、スマートフォンやタブレットなしで、Spotifyにアクセスが可能になる。もちろんアルバムや楽曲単位での登録もでき、上書きも簡単だ。
Spotifyは世界で1億人以上が利用する音楽ストリーミングサービス。国内外の楽曲4000万曲以上をそろえ、20億本を超えるプレイリストを用意する。日本では9月にサービスを開始した。無料で利用できる「Spotify free」と、月額980円の「Spotify Premium」の2プランを用意するが、4000万人以上が有料会員になっているという。
プレイリストを登録して使用できるのは有料サービスのみ。無料サービスではBluetoothでスマートフォンやPCと接続して聴くことができる。
「Spotifyのプレイリストは常に更新しているため、新しい楽曲との出会いがある。現在、音楽を聴く環境はモバイルに移り、ヘッドホンが中心になっている。それでは音楽を共有しながら聴くことが難しい。一方ホームオーディオユーザーは、CDなど特定の音源を繰り返し聴く傾向にあり、音楽との出会いが妨げられている。SpotifyとSoundTouchの統合は、こうした課題を解決できるもの。ストリーミングを意識せず、使える」と、スポティファイジャパン代表取締役社長の玉木一郎氏はコメントした。
すでに、海外で販売されているSoundTouchには導入されており、Spotify以外のストリーミングサービスも利用できるとのこと。日本でも順次対応予定としている。
ボーズマーケティング本部本部長の橋本理智氏は「2015年上半期にストリーミング再生された楽曲は1兆曲を超えるというデータもあり、音楽を聴く環境は様変わりした。ボーズはお客様の視点からイノベーションを生み出すブランドとして、新しいリスニングスタイルを提案し、独自の付加価値を提供シていく必要がある。Spotifyとの新機能は、PCやスマートフォンを立ち上げる必要なく、スピーカからワンタッチでストリーミング音楽が聞けるという新機能を実現した」と利便性を強調した。
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