英語のウェブサイトではありますが、日本から買ってくれる人はいます。ただし、私は高校で日本語を習ったときから日本でビジネスをしたいと考えており、個人的な強い動機ですが、以前からずっと日本という大きな市場に興味を持っていました。
クラウドファンディングを選んだのは、日本に来てヨドバシカメラやビックカメラといった量販店を訪れた際、「現在の店頭では我々のストーリーをうまく伝えられない。オンライン紹介ビデオの方が関心を抱いてもらえる」と考えたからです。(Bluetoothトラッカーに対する認知度の低い)現在は、まず興味を持ってもらう必要があります。認知度が高まれば、店頭販売もうまくいくでしょう。
まず、ソフトバンクとのつながりがあります。そして、ここを出発点にして日本市場の状況を知り、Amazon.co.jpなどに広げ、同時にソフトバンクとの関係も深めていきます。
+Styleはしっかりとしたパートナーシップを構築してくれて、とてもユニークです。今日(インタビューを実施した10月14日)も先ほど、東京ミッドタウンでTrackRをほかのモノのインターネット(IoT)デバイスとともに展示するイベントを開始してくれました。買い物客に見て、触れてもらえるとてもよい機会になります。
10月末に始めます。目標はとりあえず約1000個の販売ですが、本心では1万個と考えています。まだ新しい取り組みなので、少な目に見積もっています。
マーケティングです。クラウドファンディングは、製品を市場投入する手法として従来と違うまったく新しいやり方です。たとえば、人気があるということをソーシャルで認められるなど、今までより透明性があります。
従来型の印刷物や店頭販売などですと、コミュニケーションは一方向です。それに対し、クラウドファンディングは買った人がいて、コメントで言いたいことを言ってくれる、双方向コミュニケーションになります。クラウドファンディングを通じ、日本の消費者について知ることができます。とても楽しみにしています。
もし失敗したら泣いてしまいます(笑)。ただ、8年前に会社を始めてから何度も失敗してきましたが、失敗からは学べますし、失敗した方が多く学べるはずです。日本市場にはTrackRに対するニーズがあり、日本の消費者は興味を持つと確信しています。だから、失敗するとは思っていません。目標も達成できるでしょう。
日本は12カ月後には毎月20万個売れることも可能なほど巨大な市場で、巨大ポテンシャルがあります。今後の可能性については強気です。成功して拡大できると思っています。
初めて来日して秋葉原のヨドバシカメラを訪れたとき、「ここで自分たちの製品が売られていたらなんてクールだろう」と思いました。
今回ソフトバンク、+Style、(販売を手がける)ベルパークというパートナに恵まれ、とてもラッキーです。これでマーケットに正しくアプローチし、いろいろ学べます。もちろん、小売業者ともパートナーシップを構築していきます。(販売業者の)門戸を叩き、販売してもらい、多くの人を喜ばせたいと思っています。
以上、日本市場への参入について丁寧に説明してくれたHerbert氏だが、印象に残ったのは「日本で何を構築しようとしてるのか考えることが重要です。TrackRは単なる忘れ物防止ガジェットを作るのではなく、物のありかを知る作業を、人間の頭からマシンへと移すプラットフォームを構築します」という発言だ。
まだ日本ではTrackR利用者が少ないため、正直なところクラウドGPSによる検索機能にはあまり期待できず、現在は「忘れ物防止ガジェット」にとどまっている。しかし、今回の+Styleキャンペーンでユーザーの拡大が加速される可能性がある。そうすれば、Herbert氏の目指す「プラットフォーム」の実現が近づくだろう。
なお、冒頭で触れたTokyo Midtown DESIGN TOUCH 2016というイベントだが、六本木にある東京ミッドタウン(東京都港区)で開催中だ。TrackR bravoとTrackR walletは、10月23日まで設けられている展示コーナー「+Style Exhibition」で実物を確認できる。
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