「PlayStation VR」は素直な構造で修理が容易--iFixitの分解レポート

 ソニー・インタラクティブエンタテインメントの仮想現実(VR)システム「PlayStation VR」(PS VR)が、10月13日に発売された。iFixitは当然PS VRを発売当日に入手し、分解レポートを公開した。全体的に素直な構造で強力に接着されている部分が少なく、特殊な工具を必要とせず、ほとんどの分解を標準的なドライバで進められるという。「Repairability Score」(修理容易性スコア)は、10段階評価で8(10が最も修理しやすいことを表す)とした。

PS VRの修理容易性スコアは10段階評価で8(出典:iFixit)
PS VRの修理容易性スコアは10段階評価で8(出典:iFixit)

 今回分解したものは、PS VR本体と付属のプロセッサユニット。オプションのスティック型モーションコントローラ「PlayStation Move」は、当たり前だが分解済みだ。

PS VR(上)を分解。PlayStation Move(下)は分解済み(出典:iFixit)
PS VR(上)を分解。PlayStation Move(下)は分解済み(出典:iFixit)

 本体からマスクを外すと、トラッキング用LEDが現れる。「Oculus Rift」と「HTC Vive」が人間の目に見えない赤外線(IR)LEDを採用しているのに対し、PS VRは青く光るLEDが特徴になっている。

マスクを外すと現れるトラッキング用LED(出典:iFixit)
マスクを外すと現れるトラッキング用LED(出典:iFixit)

 左右のレンズのあいだには、IR距離計のような部品が設けられていた。iFixitは、PS VRがユーザーに装着されているかどうかの判断にこの部品からの情報を利用しているとみる。

レンズのあいだに設けられていたIR距離計のような部品(出典:iFixit)
レンズのあいだに設けられていたIR距離計のような部品(出典:iFixit)

 PS VRのマザーボードに実装されていた主なLSIは以下の通り。

  • 東芝製HDMIインターフェイスブリッジ「TC358870XBG」
  • マイクロコントローラ「ARM Cortex-M0」ベースのNuvoton製「NUC123SD4SN3 NUC123」
  • ローム製RGB LEDドライバ「BD2802」
  • オーディオ制御に利用されていると思われるWolfson Microelectronics製「WM1801G」
PS VRのマザーボード(出典:iFixit)
PS VRのマザーボード(出典:iFixit)

 画面は、5.7インチ、1920×1080ピクセル表示のAMOLEDディスプレイ。画面を2つ搭載しているOculus RiftおよびHTC Viveと違い、PS VRはこの1つの画面を左右の目で見ることになる。

PS VRの画面は1つ(出典:iFixit)
PS VRの画面は1つ(出典:iFixit)

 なお、プロセッサユニットのマザーボードに実装されていた主なLSIは以下の通り。

  • Marvell Technology Group製「DE3214-B0 Armada 1500 Pro 4K SoC」
  • Samsung Electronics製「K4B2G1646Q-BCMA 256 MB DDR3 SDRAM」(合計1ギガGB)
  • Samsung製「KLM4G1FE3A-F001 4 GB eMMC flash SSD」
  • Marvell製「88E8087-NMN2」
プロセッサユニットのマザーボード(出典:iFixit)
プロセッサユニットのマザーボード(出典:iFixit)

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