音楽、映像の次は"アロマ”--ソニー、香りをエンタメに昇華した「AROMASTIC」

加納恵 (編集部)2016年10月08日 10時00分
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ソニーは、カートリッジ式のパーソナルアロマディフューザー「AROMASTIC」の正式販売に伴い、10月7日にプレスイベントを開催した。クラウドファンディングを経たことによる改善点や香りに関するトークイベントなどを実施した。

 AROMASTICは、ソニーの新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program(SAP)」から生まれたプロダクト。2015年11月に発表され、ソニーの運営するウェブサイト「First Flight」でクラウドファンディングを実施していた。

AROMASTICと専用カートリッジ
AROMASTICと専用カートリッジ

 5種類の香りを持ち運べるスティック型のアロマディフューザーで、独自の香りカートリッジを実現した「Scentents(センテンツ)」を用いることで、1つのカートリッジに複数の香りを保持できることが特徴。アロマには英国のオーガニックコスメブランド「ニールズヤード レメディーズ」を採用している。本体のAROMASTIC(税別価格:8980円)のほか、専用カートリッジ「OE-SC101/SC102/SC103」(同各:2280円)を用意する。


ソニーの新規事業創出部 統括課長である藤田修二氏

 ソニーの新規事業創出部 統括課長である藤田修二氏は「AROMASTICの原型ができたときには、自分で設計したものながらサプライズを受け、可能性を感じた。その後、街頭インタビューやご協力いただいたニールズヤードの店舗でプロトタイプを実際にお客様に見てもらうなどの市場調査を実施した。ソニーがプロトタイプをユーザーに試してもらうのは初の試みだと思っている」と開発過程を説明する。

 First Flightでのクラウドファンディングでも約1000人の支援者を集め、今回の正式販売に結びついたという。

AROMASTIC量産化への過程
AROMASTIC量産化への過程。左端はプロトタイプ

 AROMASTICには、複数の香りを混ざらずに保持し、使う度にフレッシュに芳香する独自のScententsテクノロジを採用。これにはマイクロ流路技術を応用して独自開発した微細構造の開発と、ソニー独自のマイクロ光造形技術を採用し、高精細かつ高速な3次元造形を可能にする3Dプリンタの開発が大きく寄与しているとのこと。「量産化はものづくりの上で大きなハードルの1つ。AROMASTICは、ソニーのものづくりとデザイン力だからこそ量産化ができた。実際工場では3Dプリンタを量産機として導入している」(藤田氏)と話す。

Scententsの構造
Scententsの構造

 熱を使わず香る「気体放散方式(ドライエアー方式)」を採用していることも特徴の1つだ。これにより香りが周囲に拡散せず、使用することが可能。「香りの種類や敏感度によっても異なるが隣の人にはほぼ拡散しない程度」と藤田氏は自信を見せる。

 ソニーの代表執行役社長兼CEOである平井一夫氏は「SAPは社内でオーディオションを実施し、筋の良いものを商品化しようと発足した。第3回目のオーディションに合格したのがこのAROMASTIC。香り=AROMAをエンターテイメントに昇華したいというアイデアがスタートになっている」とビデオメッセージを寄せた。

ソニーの代表執行役社長兼CEOである平井一夫氏
ソニーの代表執行役社長兼CEOである平井一夫氏はビデオメッセージで登場した

 イベント会場では、ニールズヤード レメディーズ 代表取締役の梶原建二氏とソニーコンピュータサイエンス研究所 上級研究員の茂木健一郎氏が登場。梶原氏は「私たちが得意とするオーガニックはガジェットと結びつきにくい。AROMASTICは時代のブレイクスルーツールになる。凄く大きなことだと思った」とコメント。茂木氏も「香りの”いいとこ取り”をした感じ。香りはすぐに慣れてしまうものだが、出会いの瞬間を持ち運べて、非常に優れていると思った」と感想を述べた。

 AROMASTICは、First Flghtのほか、ニールズヤードレメディーズ表参道店、渋谷ヒカリエ ShinQs、銀座・ソニービルなどで10月21日で販売する。

左からソニーコンピュータサイエンス研究所 上級研究員の茂木健一郎氏、ニールズヤード レメディーズ 代表取締役の梶原建二氏、ソニーの藤田修二氏
左からソニーコンピュータサイエンス研究所 上級研究員の茂木健一郎氏、ニールズヤード レメディーズ 代表取締役の梶原建二氏、ソニーの藤田修二氏
  • このエントリーをはてなブックマークに追加