ツイキャスでも「小学生」タグがつけられた配信は多数見つかる。中には顔出しで本名とみられる名前でだらだらと配信している録画配信もある。どれも起承転結などがなく、どこかで見たような真似事配信ばかりだ。多くのキッズYouTuberの動画は、再生数はあまり多くなく、二桁から三桁程度なのが実情だ。
しかし、女子小学生の場合は成人男性と思われるコメントが多数ついて伸びることがある。再生数という分かりやすいものが伸びると嬉しいようで、コメントに対して嬉しそうにコメント返しをしているものを見かけた。中には「かわいいね」「セクシーだね」と、小学生に向けるのはふさわしくないと感じるコメントがついているケースもあった。保護者は子どものこのような行動に気がついているのかどうか。
以前もご紹介したが、小学6年男児がゲームの実況中継をしていて、コメントについた「違法ダウンロードをしたのか?」という問に対して「したけど悪い?」と答えて炎上した例もある。批判コメントが殺到した後は、小学生男児の名前、在籍小学校、住所などが突き止められ、まとめページにまとめられる事態となっていた。現在もこの男児の個人情報はインターネット上に広く公開されている。
スマホやタブレットが普及し、写真投稿や動画投稿がますます簡単になっている。小学生YouTuberなども多数存在するため、心理的な敷居が下がり、逆に憧れていることも多い。中にはYouTube出身で著名になったYouTuberや、デビューにいたったミュージシャンもいるため、憧れる気持ちはわかる。子どもが「やりたい」と思うのはある意味自然なことかもしれない。また、インターネットには確かに可能性があるため、一律に否定するのも正しくないことも確かだ。
しかし、小学生はまだインターネットの楽しい面しか見ていず、怖い面を知らない。保護者は、子どもが本格的な危険に巻き込まれる前に、リスクを正しく教えるべきだろう。最近は無線LANスポットも充実しているので、隠れて使う危険性もある。YouTubeを「炎上」などで検索すると、転載されている過去の炎上動画が多数見られるので、年齢によっては見せて恐ろしさを実感させてもいいだろう。保護者はぜひ早めの対策を施してほしい。
高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。
ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/
Twitter:@akiakatsuki
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