逆瀬川氏は冒頭、ビジネス上の課題として次のように呼びかけた。「社内のコミュニケーションでは、相手の顔を直接見ながら話す対面でのやり取りが極めて大切。とはいえ同時に、成果を限られた時間の中で出すことも求められる。そのため無駄なメールや電話、会議を減らすことは急務の課題となっています」
米マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査結果によれば、ビジネスの実態として、業務時間の61%は、メールや会議、対面のやりとり、情報収集などに消えていくと逆瀬川氏。残りの39%で、ようやく本来の業務を遂行しているのが現状なのだ。「この6割の時間の使い方を改善することで、年間で288時間もの時間が削減可能です。これを人件費にすれば年間57.8万円に達します」(逆瀬川氏)という。
こうした労力を払いながら、社員のコミュニケーションに関する課題として「報告・連絡・相談が不足している」と感じる企業は約60%にも上っている。メールや会議を削減して業務効率化を図りたいが、かといって満足な「報告・連絡・相談」は現状できていない。それが多くの企業における、社内コミュニケーションの実情だ。
逆瀬川氏は、LINEやFacebookといったプライベートSNSをビジネスツールとして利用する企業の増加についても警鐘を鳴らす。「プライベートの送信先のつもりで、間違えて取引先にメッセージを送ってしまった」「社内の重要情報を誤って友人へ送ってしまった」などのミスは珍しい話ではなく、プライベートSNSをビジネス用途で使うことにストレスを感じる人も少なくない。プライベートSNSで業務時間外に連絡を送り付ければ、モラルハラスメントやパワーハラスメントにつながる可能性もあるだろう。こうしたセキュリティ/モラル面での不安要素は、利用者側・管理側ともに実感できるところのはずだ。
こうした課題を解決するには、適切なツールの導入で無駄なコミュニケーションを減らし、対面コミュニケーションを増やす必要がある。そしてツールには、プライベートとビジネスの明確な切り分けができるビジネス専用コミュニケーションツールがベストだ。ビジネスチャット「Sync」はそうしたツールの一つで、9月5日に法人プランをリリースする等サービスを拡大している。
特徴は大きく3つ。伝えたい内容をグループチャットですぐに送れる「素早く簡潔なコミュニケーション」、部署やプロジェクトごとにチャットグループを作成して社内メンバーで共有できる「チームでの効率的な情報共有」、そしてWord/Excel/PDF/画像など各種ファイルに対応した「簡単なファイル共有」だ。それぞれシンプルに操作が可能になっており、外部サービスとの連携も容易に行える。(Google Docs、Dropbox、GitHub、Evernote、Trello、Googleカレンダー、Facebookなど)
「特に社内外とのやりとりが頻繁に発生する企業や、若手社員が多い企業にお勧め(逆瀬川氏)」という。実際にSyncで円滑なコミュニケーションを実現した企業の導入事例も講演では紹介された。さらに9月下旬には、より多彩なツールとの連携を可能にするAPIの提供も行われる予定だ。現状のコミュニケーションに課題を感じる企業は、ぜひこのようなツールを検討し、業務の効率化につなげて頂きたい。
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