ヤマハは、「人工知能演奏システム」を使って、ベルリンフィル・シャルーンアンサンブル(バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス)とともに演奏した動画を公開した。
人工知能演奏システムは、マイクとカメラを使って、共演者の演奏音や演奏時の動きを検出、分析し、次に行うべき演奏を常に予測しながら、自動演奏ピアノ「Disklavier(ディスクラビア)」に演奏をリアルタイムに指示することで、実現するもの。ピアノには、巨匠である故スヴャトスラフ・リヒテルさんの往年の演奏を忠実に再現した特別なデータを取り込んでおり、リヒテルさんのタッチを加味したピアノ演奏になっているという。
動画は、5月19日に東京藝術大学奏楽堂で開催されたコンサート「音舞の調べ~超越する時間と空間~」で撮影され、シューベルト ピアノ五重奏曲イ長調 D667「鱒」の第4、第5楽章を演奏した。通常の自動演奏ピアノに比べ、共演者の演奏に合わせてピアノの演奏を変化させ、自らの演奏を共演者に伝えることで、息の合ったアンサンブルを実現できるとのこと。
実際の演奏にあたっては、何度もリハーサルを重ねることで、人工知能演奏システムを改良し、精度を向上していったという。
使用したのは、ヤマハのコンサートグランドピアノである「CFX」に自動演奏機能を持たせた特注のDisklavier。CFXは、リヒテルさんが円熟期に愛用したヤマハ製ピアノ「CF」の後継機種にあたる。
ヤマハは、文部科学省と科学技術振興機構の事業「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)の拠点の一つ「東京藝術大学COI拠点」に参画しており、その活動の一環として実現したものだ。
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