モノのインターネット(IoT)技術により、身の回りのあらゆる物が通信機能を授けられ、スマートフォンやクラウドサービスと連携してスマートデバイス化しつつある。そんな時代であるにもかかわらず、家庭や会社の郵便受けは極めて原始的な、ただの箱に過ぎない。
手紙が配達されたかどうかは、その場へ行って開けるまで分からない。箱からの進化は、米国の郵便受けにあるようなフラッグ(旗)が取り付けられた程度だ。
そこで、手紙や小包が入れられるとスマートフォンで通知してくれる郵便受け用スマートデバイス「Mail Beacon」を紹介しよう。現在クラウドファンディングサービス「Indiegogo」で支援募集中。
Mail Beaconは、郵便受けの内側に取り付けるデバイス。光センサと加速度センサを備え、郵便物が入れられると無線連携させたスマートフォンに伝えてくれる。これで郵便受けまで確認しに行く手間と時間を節約できる。郵便受けがいっぱいになると警告が出るので、あふれさせることも防げる。
Mail Beaconの驚くところは、どういった仕組みなのか明かされていないが、郵便物の有無だけでなく、その数、大きさ、種類、送り主までスマートフォンから確認できる点だ。
さらに驚くのは、わざわざ取りに行く必要のないダイレクトメール(DM)の判別機能である。光学センサでDMかどうか判定し、DMの場合は配達を通知しない、という動作が設定可能としている。電子メール用スパムフィルタは誤動作が多いのに対し、Mail Beaconは99%の精度でDMを検出するそうだ。
Mail Beaconは、郵便物の盗難も防ぐ。許可されている人以外が郵便物を取り出すと、ユーザーのスマートフォンに通知する。
なお、こうした高度な機能を実現する具体的な技術について、開発チームは特許申請の関係で公開できないと説明する。
Mail Beaconとスマートフォンのあいだは、Bluetooth Low Energy(Bluetooth LE)で結ぶ。通信可能距離は最大100m程度だが、金属製の郵便受けだと極端に短くなってしまう。そこでアンテナを郵便受けの外に出すことで、離れても通信可能にできる。さらに、信頼できる隣人や同僚のスマートフォンにMail Beacon用アプリをインストールしてもらうと、通信を中継し、インターネット経由で郵便受けの状況が把握できるという。
Indiegogoでの目標金額は1万5000ドル。記事執筆時点(日本時間9月6日15時)で約1800ドルの資金を集めている。キャンペーン期間はあと1カ月ある。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス