KDDIは8月31日、表参道とケヤキ並木の100年の歴史を学べる、VRを活用した学習コンテンツ「タイムトリップミュージム」を、いのちの森サイトとau公式YouTubeアカウントで公開した。コンテンツを通じて、次の100年をどう受け継いでいくかを考えるきっかけになることを目的にしているという。
タイムトリップミュージアム「明治神宮表参道ケヤキ並木の100年」は、いのちの森が提唱する、明治神宮の森から多くの生き物が行き来できる「緑の回廊」を作ることを目指す「グリーンコリドープロジェクト」の一環として制作されたもの。表参道沿いの3スポット(表参道交差点、明治神宮交差点、表参道ヒルズ)の視点から、表参道とケヤキ並木の歴史を、360度のVRコンテンツで学ぶことができる。
明治神宮と表参道は1920年に完成し、その翌年には201本のケヤキが植えられた。学習コンテンツのパート1では、表参道交差点周辺から、1923年に発生した関東大震災と復興にともない建設された「同潤会アパート」、1945年の山の手大空襲による被害など、表参道のケヤキ並木の誕生から成長、戦争から復興までの時代を学ぶことができる。
パート2では、1950年代に米国文化の影響を受けて大きく発展した街の様子や、1960年代に誕生した「原宿族」と呼ばれた新たなファッションスタイル、そして1970年代の「ラフォーレ原宿」や「アンノン族」「竹の子族」などの若者のカルチャーを紹介。さらに、1981年にスタートした表参道の商店会「原宿シャンゼリゼ会」による、ケヤキ並木の保護活動などを学ぶことができる。
パート3では、1991年に開催された「クリスマスイルミネーション」や、海外ブランドの旗艦店が多く建ち並ぶ街並みの様子、2006年に開業した「表参道ヒルズ」などについて学べるほか、1921年には高さ40cmだったケヤキが、現在の高さ24mまで成長した姿を見ることができる。
同日の記者発表会で登壇した、KDDI コミュニケーション本部長の山田隆章氏は、「教育現場のICT化が進んでいる。いのちの森と共同開発したVRコンテンツによって、生徒が教科書以上のより深い学習効果を得られるのでは」と期待を寄せる。
また、いのちの森の事務局長である井梅江美氏は、明治神宮を始め関係各所からの協力もあり、100年前の資料などを集めることができたと説明。続けて山田氏は、資料で補えない街並みなどは、イラストで表現するなどして再現したと語った。
同日には、渋谷教育学園渋谷中学高等学校の生徒が、実際にVRヘッドセット「Gear VR」を装着して、表参道を巡る課外授業を実施した。高校1年生の生徒は体験後に「本当にそう見えるのか少し疑っていたが、実際に体験してみると目の前に全然違う景色が広がって、すごいの一言」と驚きを語った。今後も過去を振り返るコンテンツや、海外など遠方の景色を体験してみたいという。
KDDIでは、9月1日から11月30日まで、渋谷区の中学校・高等学校を中心に、スマートフォン「Galaxy S7 edge SCV33」とGear VRを貸し出す。
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