何かを学んでいる人は、学んだことを記憶に定着させ、実践で即座に使える知識にしたり、新しい発想に生かしたりできるようになるために努力している。また教える側も、相手がその分野の理解を深めて、習得できるように、さまざまな工夫をこらしている。誰しも、それが「無駄な努力」だとは思いたくないだろう。だが、間違ったやり方で強引に行っている努力は、残念なことに無駄に終わる可能性が高い。本書を読んで、愕然としてしまう人もいるはずだ。
本書では、今まで良いとされてきた学習方法の常識を疑い、学習したことを確実に身につけるための方法を指南している。そのどれも、科学的な実験に裏づけられた、納得できる理由に基づいている。例えば「教科書を繰り返し読む」ことが、本当に成績アップに繫がるのか。スライドに綺麗にまとめられた資料を見るだけの講義は、理解を助けるのか。詰め込み勉強や集中練習は効果があるのか。
要は「楽な学習方法などない」ということなのだが、本書にあるやり方を自分の学習に取り入れれば、それが苦しい道のりではあっても、結局のところ、最も近道を行くことになる。見当違いの努力を続けてしまわないためにも、学習者は読んでおくことをお勧めする。
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