シャープは8月12日、鴻海精密工業などからの出資払込手続きが完了したことを発表した。6月30日時点で853億7100万円の債務超過だった状態が解消されたことになる。払い込みが進展していなかったことが不安視されていたが、前日の8月11日に中国での競走法審査が完了したことを受けた。
第三者割当による普通株式32億8195万697株とC種類株式1136万3636株の発行で総額3888億1165万8136円がシャープに出資された。株主構成は大きく変わり、議決権は鴻海精密工業が44.6%、鴻海傘下のFoxconn Far East(FE)とFoxconn Technologyがそれぞれ18.43%、13.01%所有することになり、鴻海グループで合計7割以上の議決権を所有する。
新株式発行で資本金と資本準備金が増加したが、ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ投資組合が保有するB種類株式2万5000株を299億7479万2500円で取得するとともに資本政策の機動性などを確保するために資本金を50億円、資本準備金を12億5000万円にしている。
出資払い込みを受けて代表取締役社長の高橋興三氏は同日付で退任し、取締役も辞任した。新社長には鴻海グループ副総裁の戴正呉氏が就任する。みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行との間で借入総額3000億円のコミットメントラインを設定したことも発表した。
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