学校がなぜ子供たちにハッキングを教えているのか、そしてこれらの子供たちは将来的に犯罪者になるのではないか、と思っている人は、この狙いを取り違えてしまっている。確かに、若者が違法なハッキングで問題になることもあるが、Facebookは、同社の取り組みが未来のサイバーセキュリティ専門家の育成に貢献することを望んでいる。
Marcos氏は、「われわれは未来のサイバーセキュリティ専門家の候補者を見つける手段として、CTFコンテストの開催を始めた」と言う。今回、Facebookはさまざまな大学にコンテストを主催するよう促すことに加えて、ユタ州やアイダホ州の高校生グループが同社のプラットフォームを使って、r00tz AsylumのCTFを開催できるよう支援した。
それはConnor Jones君にとっても非常に大きなチャンスだった。Connor君はこの秋にユタ州サラトガスプリングスで9年生になる14歳だ。Facebookの主催者と最初に電話で話したとき、Connor君はそれが現実のこととは信じられなかった。
「Facebookから電話がかかっている。僕は完全にパニックになってしまった。あれは本当にクールな出来事だった」(Connor君)
Connor君とこのプロジェクトに関わっているほかの学生たちは、夏休みの前半を費やして、ゲームを構成するハッキングチャレンジを必死で考え出した。Jones君はその体験のすべてを楽しんだ。毎朝午前8時に起床し、地下室のロッキングチェアに座って、コンテストのさまざまな要素に考えをめぐらせた。
Jones君は今後、サイバーセキュリティ分野に携わりたいと考えている。「現場を見て、毎日新しいことを学びたい」(Jones君)
子供たちの講演が終わった後、サイバーセキュリティ専門家のDan Kaminsky氏が壇上に上った。つい4日前、Kaminsky氏は「Black Hat」カンファレンス(伝統的にDEFCONの直前にラスベガスで開催される別のサイバーセキュリティイベント)で、巨大な広間に集まった大人のサイバーセキュリティ専門家を前に基調講演を行ったばかりだ。今回は、片時もじっとすることのない子供たちという手強い聴衆を前にしている。
Kaminsky氏は子供たちに向かって、「さあ、どんどん壊そう。私はそうやってここまで上り詰めたのだから」と話した。
しかし、それがハッキングのすべてではないとKaminsky氏は言う。今では、ソフトウェアは世界のあらゆる人々に影響を及ぼす。したがって、コンピュータコードに問題を見つけた後、彼らが次に何をするかが重要だ。
同氏は、「君たちは、物事を良い方向に変えていくことができる」と締めくくった。Kaminsky氏の言葉は、錠をこじ開けたり、回路基板をはんだ付けしたり、ソフトウェアをハッキングしたりしている子供たちの歓喜の声でかき消されそうになった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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