普及の鍵を握る米国の「自動運転」--注目すべきスタートアップ12選 - (page 2)

 次に米国に拠点を置く、注目すべき自動運転のスタートアップを見ていこう。

自動運転キットを手掛けるComma.ai、Perrone Robotics、ASI

 Cruise Automation以外にも、自動運転キットを手掛けるスタートアップがある。

Comma.ai

 17歳にしてiPhone、21歳にしてPlayStation 3のジェイルブレイクに初めて成功したハッカーGeorge Hotz氏によって設立されたサンフランシスコのスタートアップ。1000ドル以下の自動運転キットを年末までに販売する計画である。TeslaのElon Musk氏からの引き抜きを断り、Andressen Horowitzなどから投資を受けている。

「Comma.ai」
「Comma.ai」
Perrone Robotics

 バージニア州に拠点を置き、DARPAや Insurance Institute for Highway Safety(IIHS)から投資を受ける。特許取得済みの自動運転用OSや自動運転キットを開発しており、企業や大学での研究で必要なアプリケーション開発、ハッキング対策などを支援している。

「Perrone Robotics」
「Perrone Robotics」
ASI(Autonomous Solutions)

 ユタ州に拠点を置き、自動車のほかにも鉱山トラックや農業機械向けに自動運転キットを開発している。ユーザーによるマニュアルコントロールとAIによる自動コントロールを可能にしている。

「ASI」
「ASI」

自動運転ソフトウェアを手掛けるDrive.ai、Ottomatika、Itseez

 自動車会社のボトルネックであるソフトウェア技術、特に機械学習に強みを持っており、その分野でトップを走る研究室のスピンオフや卒業生によるスタートアップが多い。

Drive.ai

 スタンフォード大学のAI研究室の卒業生と著名なロボットエンジニアのCarol Reiley氏によって設立された。周辺環境の認識と動作計画、制御にディープラーニングを活用している。ステルスモードだが既に1200万ドルの出資を受けており、注目されている。

「Drive.ai」
「Drive.ai」
Ottomatika

 カーネギーメロン大学から2013年にスピンオフしたスタートアップ。カーネギーメロン大学教授のRaj Rajkumar氏が率い、社員は同大学の教員やGoogle、Appleなどから集っている。2015年8月にTier1メーカーのDelphiに買収された。

「Ottomatika」
「Ottomatika」
Itseez

 2005年設立と歴史のあるサンフランシスコベースのスタートアップ。コンピュータビジョンの専門家集団であり、OpenCVやOpenVXなどオープンソースソフトウェア活動への貢献度も高い。5月にIntelに買収され、今後は自動運転向けにディープラーニングベースのコンピュータビジョン技術の開発に注力する。

交通サービス創出を狙うZoox、AuRo、Varden Labs

 日本のロボットタクシーの取り組みと同じく、自動運転技術の提供に留まらず、自ら自動運転車を開発し、新たな交通サービスの提供まで目論むスタートアップもいる。

Zoox

 メンローパークに拠点を置き、6月には2億ドルのシリーズAの資金調達をしたスタートアップ。完全自動運転車を開発しており、都市向けに次世代交通サービス(mobility-as-a-service)としてロボットタクシーを提供すると宣言している。

「Zoox」
「Zoox」
Auro Robotics

 サンタクララに拠点を置く、IIT(インド工科大学)の研究グループからスピンオフしたスタートアップ。Y Combinatorへの参加が決まり、2015年から米国に移った。大学キャンパス向けのドライバーレスシャトルシステムを開発している。

「Auro Robotics」
「Auro Robotics」
Varden Labs

 カナダのウォータールー大学出身のエンジニアによって設立され、Auro Roboticsと同じくY Combinatorへの参加と同時にベイエリアに拠点を移しており、大学キャンパスやテーマパーク内といった閉空間で使用される自動運転車を開発している。

「Varden Labs」
「Varden Labs」

トラックの自動運転に取り組むOtto、Peloton、Starsky

 最後に、ドライバーの高齢化に伴う運転手不足や長時間労働による事故などで乗用車以上に自動運転のニーズが高いトラック向けの技術開発に取り組むスタートアップを紹介する。

Otto

 Google Xで自動運転車の開発に関わっていたAnthony Levandowski氏らが率いるスタートアップで、設立から半年ですでに40名の社員を揃え、Tesla、HERE、Apple、Cruise Automationなどの出身者が集う。5月中旬にステルスモードを一部解除して、高速道路での自動走行のデモビデオを公開したことで話題になった。まずは既存のトラックに後付可能なADASキットの開発に取り組んでいる。

「Otto」
「Otto」
Peloton Technology

 Volvoやデンソー、UPSなどが出資するスタートアップ。隊列走行(プラトゥーン)技術の開発を行い、燃費削減と安全性の向上に取り組んでいる。クラウドベースのネットワークオペレーションセンターを持ち状態監視を行う。

「Peloton Technology」
「Peloton Technology」
Starsky Robotics

 Y Combinatorの2016年夏バッジに参加するロボット技術のスタートアップ。ステルスモードであり、”Robots to Automate Vehicles“をキーワードに掲げている。ファウンダーはRocketSpaceなどで勤めていたハスラーと、マルチスズキでの勤務やUpDroidの創業経験を持つエンジニアの2人だ。

「Starsky Robotics」
「Starsky Robotics」

 上記に挙げた以外にも、自動運転の周辺技術としてGPSナビゲーション技術の開発に取り組むSwift Navigationや、トヨタが出資したことでも知られる衛星通信用アンテナを開発するKymetaなど、様々な企業が存在する。今後も米国の自動運転関連のスタートアップの動向には目が離せない。

河本和宏

京都大学大学院工学研究科を修了。ヒューマンインタフェース設計、自動運転システム開発に携わる。その後、戦略コンサルティング会社のアーサー・D・リトルに参画し、主に自動車、機械、電機、化学の分野で新規事業開発、事業・イノベーション戦略策定、M&A支援などを行う。2015年に渡米し、現在はサンフランシスコの起業家・エンジニア育成プログラムに参加する傍ら、ロボットスタートアップの立ち上げに従事。Silicon Valley Roboticsメンバー。

@kazookmtでベイエリアの情報を発信。

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