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JVCが新提案型イヤホンで選んだクラウドファンディングでのモノづくり - (page 2)

加納恵 (編集部)2016年08月18日 08時00分
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プロモーションから始める、通常の商品とは“真逆”の作り方

--Makuakeでは、5時間で目標額を達成していますね。


新規事業推進室長の江島健二氏。「積極的に関わっている人間が多い分、みんなの思いも強い」

江島氏 目標額の100万円はゴールではなくて、スタートとして設定しています。いかに早く達成できるかに注目していたのですが、そういう意味では良いスタートを切れたと思っています。

鯨岡氏 私たちが欲しいの資金ではなくお客様の声で、目標額は達成しましたが、サポーターは今以上に増えてほしい、そして生の声をもっといただきたいと願っています。個人的には1000人を集めたいですね。

--通常の商品とマルチライブモニターイヤホンでは、商品作りの過程が異なりますか。

鯨岡氏 通常の商品開発は、技術と商品企画が中心となりコンセプトなどを固めていって、設計、技術、デザイナー、営業と徐々に関わる人数が増えていくのですが、今回のマルチライブモニターイヤホンは真逆で、「こんなコンセプトの商品で、お客様にはこんな提案でアプローチできたら面白いかも」から始まり関連部門が集まりだしたという流れです。

 プロジェクトとして出品する段階で「この技術を使って、こういうデザインのものを作る」と形まで決まっていなければいけませんから、どうしても携わる人間は多くなります。実際、10数人の人間がマルチライブモニターイヤホンの開発に関わっていますし、もしかしたら通常の商品よりも多いくらいですね。


マーケティング1部 企画G グループ長の斉藤靖之氏。「ライブモニターイヤホンは、市場に受け入れられるという確信に変わった」

斉藤氏 今までの商品と違って、最初から技術も企画も営業も、それぞれに情報共有しながら取り組みましたから、意外と時間もかかりましたね。

江島氏 特に大変だったのは、Makuakeのプロジェクトページ作りで、それこそ積極的に関わっている人間が多い分、みんなの思いも強い(笑)。また、私たちが作るとどうしてもカタログ調になってしまうというか、あれもこれもと文章が長くなってしまうのですが、それをどこまで削れるかがポイントでした。このページは公開当日の午前中まで修正を加えましたし、ギリギリまで考えぬいて作りました。

--社内的に、クラウドファンディングを採用することのハードルはなかったのでしょうか。

江島氏 商品化される前のモデルのスペックなどが公になってしまうリスクはありますが、知財関係は押さえていますし、デザインもかなり特徴的なので、問題にはなりませんでした。

 もともと、クラウドファンディングを使ってみたいという意見はかなり以前から出ていたのですが、タイミングが合わなかったり、商品の決定打にかけたりして、行動に移せなかったんですね。

鯨岡氏 社内でも「そこまで冒険をする価値はあるのか」という意見が出ていたこともありましたが、「とにかく新しいことに取り組んでみよう、まずやってみよう」という雰囲気が出てきていますから、タイミングも良かったのだと思います。

変化球と言われる商品を勝負してみたい

--Makuakeを採用した理由は。

鯨岡氏 以前から、Makuakeの担当者の方と面識があって、いずれ何かで仕事がしたいと話をしていたのですが、ほかのクラウドファンディングサービスと比べて、幅広いネットワークを持っていて、業界内で伸び率が高いことがポイントでした。今回もかなりご協力いただきましたし、非常に助かりました。

--今後の動向を教えてください。

江島氏 支援いただいた方のリターン分を2017年1月に向けて開発していきます。一般販売についてはクラウドファンディングの反応を見て考えていきます。現時点で“楽器向け”イヤホンとしての手応えは感じているので、この先どこまでご支持いただけるのか見極めたいですね。


新規事業推進室の鯨岡伸二氏。「カラバリは社内人気とは異なる結果に。製品コンセプトにあった色が売れることを確信」

斉藤氏 今回実績ができたので、変化球と思われるような商品もクラウドファンディングを通じて商品化できればいいなと考えています。

鯨岡氏 クラウドファンディングは、目標額にさえ到達すれば簡単に商品化できると感じてしまいますが、安直に飛び込んでもおそらく成立しなくて、明確なコンセプト、技術的な裏付けが大事だと思います。

 また、以前に開発は進めていたけれど、商品化にまで至らなかったもので、今の時代であれば受け入れられるもの、今の時代だからこそほしいものもあるので、そうした商品を探していきたいですね。

江島氏 クラウドファンディングを採用することについて新しいことをやっているという意識は全くなくて、むしろ出遅れているくらいのイメージなんです。実際にやってみるとマーケティングツールとして最適ですし、今後もフットワーク良く試してみたいと思います。

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