「Photoshop」などのクリエイティブツールを利用するには、これまでPCを利用するのが一般的だった。これは、画像処理などでCPUの強力なパフォーマンスが必要であったのと、アプリに搭載されている機能に制限があったためだ。
最近ではこの傾向は変わってきており、タブレット端末のCPUも強力になり、クリエイティブツールとして使う動きも出てきている。特に、タッチパネルを使った直感的な操作性や、可搬性、長時間駆動、高解像度液晶といった、タブレットならではのメリットを生かしたクリエイティブアプリも登場している。
今回、Photoshopなどの開発元であるアドビシステムズでCreative Cloudエコシステム担当のブライアン・オニール・ヒューズ氏が来日。Appleの「iPad Pro」を利用したクリエイティブワークとして、写真レタッチアプリの「Lightroom mobile」、2016年6月末にアップデートされた「Photoshop Sketch」「Adobe Capture CC」による“モバイル環境下”でのクリエイティブワークフローについて解説を受けた。
アドビでは、モバイルアプリの拡充を進めており、Photoshop関連だけでも「Photoshop Mix」「Photoshop Fix」「Photoshop Sketch」「Lightroom Mobile」などを用意。これらのアプリは、用途別に特化されているほかスマートフォンやタブレットにUIが最適化されており、デスクトップ版にありがちな「どこになにがあるかわからない」といったこともなく、直感的に操作できる。
Lightroom mobileでは、デジタルカメラのRAWデータの現像に対応。最新の「Adobe Camera RAW」をサポートし、ほとんどのカメラのRAW編集が可能だ。iPad Proへの取り込みは「Apple iPad Camera Connection Kit」を利用。色味の調整のほか、レンズのゆがみをワンタップで補正することができ、すべて非破壊的な編集が可能なので、いくらでもやり直しできる。
新バージョンでは、レタッチした写真の調整項目を別の写真にコピーできるようになった。これにより、ユーザーが気に入った色味を登録し、ほかの写真に簡単に適用できる。また、デスクトップ版で提供している「かすみ除去」機能もiPadに搭載。部分補正にも対応し、露光量、明るさ、明瞭度などの補正を写真の一部分にだけ適用可能だ。ヒューズ氏は「デスクトップでできることの9割がiPadで実現できる」と述べた。
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