UPDATE 緊急時には、時間が重要な意味を持つ。
米疾病管理予防センターによると、緊急救命室(ER)で治療を受けるまでの待ち時間は約30分で、治療自体にかかる時間は平均約90分だという。ERに行かなければならない状況に陥ってしまった人にとって、誰であろうと治療が早く受けられればそれに越したことはない。
そうした状況こそ、新興企業のDensityが対処できると考えている主なシナリオの1つだ。同社は、ドア枠の上に取り付けて付近にいる人の数をカウントするセンサを開発している。昔は、テーマパークの入口に立って入場者の数を数取器でカウントする人がいたものだが、それと同じ役割を果たすわけだ。米国時間7月27日に発売されたこのデバイスは赤外線を利用する。データはリアルタイムでソフトウェアに送信され、企業は月額料金を支払ってこのソフトウェアを利用できる。結果として、企業は(そしておそらく、いずれは個人ユーザーも)行列に並んでいる人や建物内でひしめき合う人の数を確認できるようになる。
Densityの最高経営責任者(CEO)を務めるAndrew Farah氏は、この技術によって実現できることを想像して、「DMV(車両管理局)で行列に並ぶ必要がなくなれば、非常にありがたい」と語った。
ERの場合、最も空いているERについて情報があれば、救命士は、大混雑しているERや、少なくとも通常より混んでいるERに行き当たることなく、空いているERに患者を搬送できるだろう。
Farah氏によると、Densityの共同創設者の1人は救命士としてしばらく勤務していた経験があり、患者を搬送中に病院に電話して、受け入れ可能な施設を探していたという。
「人命を左右しかねない決定を下すには、なんとも古臭いやり方だ」と、Farah氏は述べた。
「Density」には、さまざまな用途がある。Densityは顧客名こそ挙げるのは控えたが、病院、ホームレス施設のネットワーク、大学、大手新興企業、不動産業者、ホスピス、オフィススペースの利用状況を調査している企業、さらにはある教会の教区とも協力を始めたという。
企業各社は何年も前から顧客の往来を追跡している。最初は、数取器を持った人が入口に立っていた。ここ20年ほど、小売業者は出入口に設置してドアを通る人の数をカウントするセンサを活用している。Densityの見解では、次の段階はドアと人の違いを判別できる、より詳細なセンサを利用することだという。同社はまた、そうした情報をインターネットに接続して、リアルタイムでトラッキングできるようにしたいとも考えている。
Densityのセンサは基本的に、対象物をぼんやりした影として読み取る。ドアと人を区別できるし、誰かが別の人の体に手を回している様子が見て取れる程度の情報は提供してくれる。ただし、Densityによると、誰かが直接センサを覗き込んでも、顔の特徴は読み取らないという。このセンサはトイレで利用することもできるとDensityは説明している。
Densityはセンサのリリースに合わせて、Upfront VenturesのMark Suster氏が主導する資金調達ラウンドで400万ドルを調達する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス