パナソニックが発表した2017年3月期第1四半期(4月〜6月)の連結業績は、売上高が前年同期比5.9%減の1兆7485億円、営業利益は12.6%減の669億円、税引前利益は19.0%減の588億円、当期純利益は63.5%減の217億円となった。第3四半期までは米国会計基準を採用。その後、IFRSへと移行する。
パナソニックの代表取締役専務である河井英明氏は、「第1四半期の売上高は、為替変動の影響が大きく減収となった。だが、為替影響を除く実質ベースでは、国内やアジアにおける白物家電の販売好調や、米国の業務用冷蔵庫メーカーハスマンの連結子会社化などにより、前年同期比1%増となり、2014年度第1四半期以来、8四半期ぶりの増収。営業利益は、将来成長へ向けた先行投資を実施し、固定費が増加したため減益になった」とした。実質ベースでの増収とともに、意思を込めた減益であることを強調してみせた。
営業利益では、ハスマンの新規連結による利益増が24億円。材料合理化や価格低下などで110億円の増益。だが、液晶パネルやICT向けデバイスなどの売上減で60億円減、急激な円高進行に伴う減益が70億円。「為替の影響や売上減は、材料合理化などの取り組みでおおむねカバーした」という。熊本地震の第1四半期業績への影響は、売上高でマイナス100億円、営業利益でマイナス30億円。とくにAVCネットワークスおよびオートモーティブ&インダストリアルシステムズの業績に影響したという。
第1四半期の固定費は101億円となったが、「その増加のうち、大部分が先行投資によるものであり、当初計画通り、住宅、車載、BtoB関連事業において、人員増強や先行開発などを実施した」と述べた。
なお、社内管理は第1四半期からIFRSベースとしており、今回は非監査としながらも、IFRSベースでの数値を公表。米国会計基準の営業利益に近い項目である調整後営業利益は、49億円減の768億円。IFRSベースの営業利益は56億円減の718億円となった。
セグメント別業績は、IFRSベースで説明した。アプライアンスの売上高は前年比2%増の6720億円、セグメント営業利益は189億円増の423億円となった。為替影響を除く、実質的な業績は7%増になった。
「前年に引き続き、国内とアジアの家電が牽引。高付加価値家電商品の増販益や、テレビの収益性向上などにより増益となった。特に国内では、業界を上回る需要を獲得している」とした。
エアコンは中国は悪化したものの、日本、アジアでは猛暑の影響で好調であり、中国の落ち込みをカバー。食品流通は、ハスマンの新規連結により増収。スモール・ビルトイン事業は、美容を中心とした日本、海外での増販が貢献した。さらに、メジャー事業は、日本のドラム洗濯機が牽引するとともに、猛暑のアジアでも、冷蔵庫、洗濯機が販売を伸ばした。AV事業は、日本における4Kテレビの販売増が牽引。テレビの高付加価値商品シフトによる収益性改善が寄与したという。
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