ラジオ局が作るIoTラジオ「Hint」--ニッポン放送、Cerevo、グッスマが共同開発

山川晶之 (編集部)2016年07月21日 12時09分
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 Cerevo、グッドスマイルカンパニー、ニッポン放送の3社は7月20日、新しい発想を取り入れたラジオ「Hint」を発表した。「CAMPFIRE」によるクラウドファンディングも開始している。

 Hintは、ニッポン放送のアナウンサーである吉田尚記氏が発案したプロジェクト。製品コンセプトをニッポン放送が、ハードウェアの仕様設計や試作機の開発をCerevoが、フィギュアメーカーのグッドスマイルカンパニーが製品デザインで協力(デザインはSF inc代表のメチクロ氏が担当)している。

 ニッポン放送アナウンサーの吉田尚記氏は、「ラジオは、これまで非常に長く生産され続けているものだが、ラジオ局がラジオを作ったことはこれまで一度もない。一方で、メーカー側も番組自体を作ったことはない」とした上で、「番組を作ることとハードウェアを作ることは、今、一緒に考えてもおかしくないのでは」と指摘。

 Hintを作るにあたり「“ラジオとは何か”をメチクロさんと考えた結果、寂しくないけど煩わしくもない存在だということに行き着いた。それを言葉にしたら『気配』だった」と、商品名のHint(気配)の由来を説明。ラジオならではの「生活にそっと寄り添う」を形にできたとしている。

「ビーコン」「スマホ」がかなえる全く新しい“ラジオの在り方”

 Hintは“IoTラジオ”として機能する。ラジオ局で放送中の音声にDTMF音(電話のダイヤル音のようなもの)を流すと、Hint内部でDTMF音からURLを自動で生成。このユニークなURLを、ビーコン経由でスマートフォンに直接プッシュ配信したり、DTMF音からHint内蔵のLEDの点灯パターンを変えることができる。

 これにより、「パーソナリティがSNSに投稿した写真の共有」「パーソナリティと生放送でゲーム対戦する相手を募集」「企業や店舗の時間限定のクーポン配布」といったスマートフォンとの連携のほか、LEDの配色パターンを変えられるので、「ニュースは青色」「交通情報は黄色」といった“目視”による番組の把握が可能となる。

 また、ラジオでの通販番組などでも、商品の購入ページへのリンクを直接配信することができる。アーティストでも、楽曲が流れているタイミングでiTunesへの導線を張ることができるため、強力な広告ツールとしても利用できる。「CMでよくありがちな『○○で検索』というフレーズが必要がなくなる」と吉田氏は語る。

 ラジオのシンプルさを生かすため、“IoTラジオ”としつつインターネットへの接続は不要。ラジオを聴取する環境とスマートフォンさえあれば完結する。また、ネットワークを経由しないためHintごとのタイムラグも少なく、複数のHintを利用したLEDによる演出も可能となる。

 なお、DTMF音は吉田氏が共同代表のトーンコネクトが持つ技術。ビーコン技術には、Googleの「Eddystone」を採用しているため、Androidスマートフォンをはじめ、Chromeを搭載したiPhoneでもフィジカルウェブをオンにするだけでビーコンの情報を受信できる。

 BLEビーコンとDTMF音を利用した配信の仕組みは他局や他メーカーにも開放予定。岩佐氏は「一番の理想は、ソニーさん、パナソニックさんをはじめ、世界のラジオを作るメーカーや、国内外の放送局さんに使って頂くこと」としている。ただし、DTMF音のコアはトーンコネクトが特許を押さえている。これは、「特許料でもうけるのでは無く、同様の技術を使った別の規格が乱立するのを防ぐため」としている。

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