「10年来ずっと考えてきた案件」--ソフトバンクグループ、英ARMを3.3兆円で買収 - (page 2)

EU離脱でポンド安も「割安に買収できた訳ではない」

 今回の買収額は米スプリントの買収時よりも一層大きなものとなるが、孫氏は「これからモバイルインターネットからIoTへ、全てのデバイスがインターネットに接続する、人類史上最も大きなパラダイムシフトが起きる。その入り口で投資することを決めた」と答えている。もっとも現金がなければ買収は難しいことから、アリババやスーパーセルの株式売却などで資金調達の目途が立てられたことも、買収には大きく影響したようだ。

 一方で、英国が6月の住民投票の結果から、EUからの離脱が決定的となり、その影響でポンド安になっているタイミングを狙っての買収ではないかという見方もなされている。この点について孫氏は「(EU離脱の影響は)0.1%も考えていなかった。EU離脱でポンドは15%程度安くなったが、同じ時期にARM自体の株価も15%値上がりしており、割安に買収できた訳ではない」と、英国のEU離脱を受けての買収ではないとした。

 なお買収には裁判所の認可、及び株主総会での承認などが必要になることから、完了まで数カ月はかかるとしている。ただしARMの取締役会や経営陣からの承認は既に得ていることから、買収にかかる時間はそれほど長くないと、ソフトバンクグループ側は見ているようだ。

 なお孫氏は、今回の買収に際して英国のハモンド財務大臣と面会したほか、メイ首相とも電話で直接話をしたという。「両者ともに、英国への積極的投資で雇用を増やす、強い信任であり非常に歓迎できると直接聞いた。そういう意味では歓迎されているのではないかと思う」と話している。

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