ソフトバンクグループは、7月18日付で半導体設計大手の英ARM Holdingsの発行済み株式および発行予定株式すべてを現金で買い付けることに合意したと発表した。
買収総額は約240億ポンド(約3.3兆円)で、ARM株式14億1200万株を取得する。9月30日までの買収完了を見込んでおり、その結果、ARMはソフトバンクの完全子会社になる。ARM1株あたりの取得額は1700ペンスで、発表の前営業日である7月15日の終値1189ペンスに43%上乗せする形になる。
ソフトバンクでは、ARMを「グローバルな半導体の知的所有権とIoTにおける優れた能力を有し、イノベーションに実績のある世界有数のテクノロジー企業」と評価。今回の買収により、ARMのグローバルリーダーとしての地位をサポートするほか、研究開発への積極的な人材投資など、同社が非上場会社となることで、長期的成長を促進するとしている。
ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏は、買収理由について 「今回の投資の目的はIoTがもたらす非常に重要なチャンスをつかむことにある」としており、向こう5年間で、英国におけるARMの従業員数を倍増し、投資や戦略の加速を支援していくとしている。また、ソフトバンクグループ内で独立した企業として、引き続きケンブリッジを本拠地として事業を展開していくという。
また、ARMチェアマンのスチュアート・チェンバース氏は、「英国における当社従業員数の倍増や、当社固有の企業文化、ビジネスモデルを継続していくことなど、相当な投資を行う旨の確約をいただいた」としたほか、「ソフトバンクの有するリソースをフルに活用することで、コンピュータが用いられるあらゆる場面において、ARMテクノロジーの使用をさらに加速できると確信している」と述べている。
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