荒波新社長が掲げる「GYAO!」を伸ばす3つのポイント

加納恵 (編集部)2016年07月28日 08時00分
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 無料動画配信を中心に長く事業を展開してきた「GYAO!」が、2016年春に大きな変革を遂げた。無料(AVOD)、都度課金制(TVOD)に加え、月額800円(Yahoo!プレミアム会員は500円)の定額課金制(SVOD)となる「プレミアムGYAO!」を開始。すべてを網羅するサービスへと進化した。

 「無料のGYAO!」のイメージが定着した現在において、なぜ定額課金見放題制プランを開始したのか。「Abema TV」など新たな動画配信サービスが続々と開始される中、“老舗”としてどんなポジションを築いていくのか。4月1日に就任した代表取締役社長 CEOである荒波修氏に聞いた。

GYAO 代表取締役社長 CEOの荒波修氏
GYAO 代表取締役社長 CEOの荒波修氏

「プレミアムGYAO!」の開始は既定路線ではなかった

--「無料のGYAO!」がかなり浸透している状態で、今春プレミアムGYAO!をスタートされました。その狙いは。

 定額課金制のプレミアムGYAO!は、既定路線として考えていた事業ではなく、ユーザーニーズを汲みとった結果、開始しました。一部都度課金制のコンテンツも提供していますが、GYAO!は基本的に無料で見られるものというイメージが定着していたのは、もちろん認識しています。

 ただ、2015~2016年にかけて動画配信事業者が増えるに従って、一定の金額を支払うことで、より幅広いコンテンツを楽しみたいというニーズが、如実に現れてきました。その中で、無料コンテンツも楽しみつつ、さらに月額支払うことでより多くのコンテンツが楽しめるサービスも提供する。ユーザーに選んでいただけるサービスにすることが重要だと考え、定額課金制のサービスを開始しました。

 また、コンテンツの調達も無料、都度課金、定額課金と3つ展開していたほうが有利になります。無料のみだと出てこないコンテンツもあるので、より魅力的なコンテンツを調達する狙いもあります。

--無料動画に長く取り組んできたことが、定額課金制を導入する際の足かせにはならなかったのでしょうか。

 それはないと思っています。開始して3カ月程度ですが手応えも感じています。ただ、常に私たちが気をつけなければいけないのは無料があってこその定額課金制だということ。無料のユーザーをいかに増やすかを忘れてはいけません。そこは肝に銘じています。

 GYAO!は無料と定額課金制の2つをそろえることで、フリーミアムなサービスを構築できました。基本的には無料で視聴していただき、月額の料金を支払うことでさらにリッチな体験ができる。そういう関係性だと思っています。

 プレミアムGYAO!の利用者を増やすには、無料サービスを大勢のユーザーに使っていただくことが第一です。大勢のユーザーの中から一部の方に有料のプランを使っていただく、そうした全体の設計を考えています。

 プレミアムGYAO!の利用者はもちろん増やしていきたいですが、GYAO!全体の利用者に占める割合が100%近くの数字にはならないと思っています。無料でも楽しめるし、有料では違った楽しみ方ができる。ユーザーに選んでもらえるサービスになることが大切ですから。

--定額課金制のサービスを導入することで、動画配信業界の競争はより激化してくると思われます。競合はどこと見ていますか。

 エンターテインメントに費やせる金額と時間は限られていますから、可処分時間の取り合いと考えるとゲームなどがライバルなのかもしれません。動画配信サービスだけを競合と捉えると、判断を誤ってしまうと思います。

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