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DeNAが「AI」で実現したいこと--PFNとディープラーニングの合弁会社を設立

藤井涼 (編集部)2016年07月14日 18時23分
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 ディー・エヌ・エー(DeNA)とPreferred Networks(PFN)は7月14日、人工知能の合弁会社「PFDeNA」を設立したと発表した。ディープラーニングや機械学習などの人工知能の共同研究を進め、それらの技術を自社サービスの改善などに活用するとともに、外部へのソリューション販売も目指す。

DeNA代表取締役社長 兼 CEOの守安功氏(左)とPFN代表取締役社長 CEOの西川徹氏(右)
DeNA代表取締役社長の守安功氏(左)とPFN代表取締役社長 CEOの西川徹氏(右)

  同日の記者発表会では、新会社の代表取締役社長も務める、DeNA代表取締役社長 兼 CEOの守安功氏が登壇。これまでAIがプロ棋士に勝つまでには10年はかかると言われてきたが、3月にGoogleの囲碁AI「AlphaGo」がプロに勝利するなど、予想を超えるスピードで進化を遂げていると説明する。

 「今後は囲碁だけでなく、いろいろな分野でこういうことが起きる可能性がある。2〜3年で大きく変わる未来にかけてみたい」(守安氏)。

DeNAがディープラーニングに注目した理由
DeNAがディープラーニングに注目した理由

 そこでパートナーに選んだのがPFNだ。同社は、リアルタイム機械学習技術のビジネス活用を目的に、2014年にPreferred Infrastructureからスピンオフした企業。産業用ロボットの高度化や、自動車産業、ヘルスケア領域での機械学習などに取り組んでいる。

 6月末に開催された、アマゾンの商品ピッキングの精度を競う産業用ロボットコンテスト「Amazon Picking Challenge 2016」では準優勝に輝いた。PFNの代表取締役社長 CEOである西川徹氏は、同社の技術について、画像認識やそれにともなう行動の精度も高めていると語り、「単純なタスクにおいてはかなり人のレベルに近づいてきた」と自信を見せる。

PFN代表取締役社長 CEOの西川徹氏が同社のビジョンを説明
PFN代表取締役社長 CEOの西川徹氏が同社のビジョンを説明

 同社ならではの強みとしては、ディープラーニングを研究するだけでなく、ハードウェアと適切に連携させるノウハウを蓄積している点を挙げた。また、膨大な機械データを高速に処理するために、クラウドだけでなく、デバイス側にも処理を分散している点が、他者との違いだと説明した。

DeNAが「AI」で実現したいこと

 新会社では、幅広い領域のインターネットサービスを企画、開発、運営する実績や、膨大な顧客データを持つDeNAと、高度なディープラーニング技術や、製造、交通、ヘルスケアなど業界をまたがる実績をもつPFNの強みを融合させるとしている。

 守安氏は、DeNAがAIを活用して実現したいことは3つあると語る。1つ目が、「既存のDeNAの事業へのAIの適用」だ。すでにゲーム事業における難易度の評価や、エンタメ事業における似た作品のレコメンドなどで活用してきたが、「ギアをチェンジしてAIに取り組む」(守安氏)という。

DeNAがAIで実現したいこと
DeNAがAIで実現したいこと

 2つ目が、「AI適用成功例をソリューションとして外部に提供」すること。そして、3つ目が「AIを利用した全く新たな領域への進出」だという。「新領域はチャンスだらけなので、積極的にAIで業界の構造を変えていきたい」(守安氏)。

 実際に、PFNとはMobageユーザーとチャットする「対話型AI」を1月から共同開発し、5月から試験導入しているという。具体的には、会話が続かないチャットルームにユーザーとしてAIが入室し、自ら積極的に会話を盛り上げるというもので、「会話として成立しはじめていて、手ごたえを感じている」(守安氏)そうだ。

Mobageユーザーとチャットする「対話型AI」のデモ
Mobageユーザーとチャットする「対話型AI」のデモ

 こうしたAI技術を活用することで、たとえば現在はメールや電話で対応している各事業のカスタマーサポートをAIに切り替えるといったことも可能になるかもしれないと語る。またあくまでも一例とした上で、ゲーム事業でAIによる対戦キャラクターを用意したり、ヘルスケア事業で健康情報から未病サービスを提供したりするなど、幅広い領域で活用できるのではないかと期待を寄せた。

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