HTC NIPPONは7月7日、バーチャル・リアリティ(VR)システム「HTC Vive」の国内展開に関する発表会を開催した。
HTC Viveは、PCゲームプラットフォーム「Steam」を運営するValveと、HTCが共同開発したVRシステムで、ルームスケールのエリアを感知することが特徴。2016年に入ってから出荷が開始されており、国内でも一部で導入や販売も行われている。この発表会では実店舗販売の開始など、国内での本格展開に向けたアピールを行った。
HTC 北アジア統括代表取締役のジャック・トン氏は、この7月7日を特別な日と表現し、「HTC Viveは新たな世界へのチャンネルを開くもの。アイデアを無限に広げることができる」とアピール。日本においては「ゲームビジネスの世界的なリーダー。HTC Viveが登場することによって強力なエコシステムができる」とコメントするなど、ゲーミング用途に着目していることを伺わせていた。その一方ではすでに海外では自動車メーカーによるデザインや、家具の仕上げやレイアウト、不動産会社での内覧などでHTC Viveが活用されている事例を披露し、コンシューマ向け、ゲーミング向けだけではない領域での業務用として活用されていることも触れていた。
HTC VR新技術部門担当VPのレイモンド・パオ氏からは、改めてHTC Viveの特徴が説明された。HTC Viveは、2160×1200の解像度と90hzのリフレッシュレートを持つディスプレイと360度の動作追跡を可能にするヘッドセンサなどを搭載したヘッドセット、2つのコントローラ、四角いボックス型のベースステーションで構成。これらによって4.5m四方のルームスケールのトラッキングを可能とし、それらは他のVRシステムにはない特徴であると説明した。
その一方で着席型のコンテンツにも対応できるといった、日本の住居スペースを意識した説明も織り交ぜつつ、立ったり座ったりといった動作にも柔軟に対応できるとも語っていた。
またパオ氏は、VRの普及によって変化するものについて言及。ゲームや映画はもとより、ショッピングの体験や観光、教育などさまざまな例を挙げていった。またVR空間内で映画などを複数の人間が視聴したり、一緒に話をするといったソーシャル体験をはじめ、世の中のさまざまなものに変化をもたらしていくのではとも語った。
ハードウェアやシステムだけではなく、コンテンツも重要視していると説明。現在では世界で5000以上のチームがコンテンツを開発、310以上のコンテンツがリリースされていることや、資金面での支援としてHTCが「VRVCA」というファンドを展開していることにも触れ、「新しい世界に参加してほしい」と呼びかけていた。
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