楽天は6月28日、モバイル通信サービス「楽天モバイル」の夏商戦に向けた新製品・サービスを発表した。同社のポイントプログラム「楽天スーパーポイント」を月額料金の支払いに利用できる仕組みや、スマートフォン新機種、そして端末とSIM、サービスをセットにした「コミコミプラン」など、多岐にわたる新しい取り組みを打ち出した。
楽天の副社長執行役員である平井康文氏は、2015年に楽天コミュニケーションズの電話アプリ「楽天でんわ」に新サービス「5分かけ放題」を提供したことで、「潮目が変わった」と話す。従来、MVNOの主なターゲットはデータ通信を安価に利用したい人たちだったが、5分かけ放題の提供によって、ユーザー層が通話もデータ通信も安価に利用したい人たちまで拡大したそうだ。
実際、楽天モバイルのショップで新規申し込みをする人の半数が、同時に5分かけ放題に申し込んでいるという。音声通話対応SIMの申し込み数も大幅に増えているそうで、新規契約者のうち通話対応SIMが占める割合は、2015年1月時点では62%だったが、2016年5月には8割に達したという。そうした状況を受け、平井氏は「楽天モバイルがメインのスマートフォンという位置付けとなった証明ではないか」と評価した。
そうした楽天モバイルの取り組みを続ける中で、平井氏は「ちょっといいモバイル、もっと楽しい毎日。」という1つのビジョンにたどり着いたという。その上で「すでにスマートフォンは体の一部になっている。大手キャリアのように過剰なサービスを提供するのではなく、新しい立ち位置でサービスを提供していきたい」と、今後の方針について説明した。
続いて登壇した執行役員 楽天モバイル事業長の大尾嘉宏人氏は、7月1日より楽天スーパーポイントを使って、楽天モバイルの月額料金の支払いが可能になることを明らかにした。毎月一定額をポイントで自動的に支払える仕組みを設けるなど、ポイントを利用しやすい仕組みも整えられるが、楽天でんわと5分かけ放題は別会社のサービスであるため、ポイント利用の対象外になるとのことだ。
また、楽天モバイルの店舗展開に関しても、直営店をすでに9店舗構えているほか、家電量販店内への展開、そしてITXやティーガイアなどの販売代理店による店舗展開によって、72店舗を展開しているという。2016年内には100店舗、約9割の都道府県への出店を目指しており、数だけでなく質の面でも力を入れていくとのことだ。
一方で、そうした店舗のスタッフによる対応から、いくつかの課題も見えてきたとのこと。なかでも大きいのが、想像以上にシニア層が多く訪れ、興味を持っているにも関わらず、シニアにスマートフォンの利用が拡大しないこと。その理由を調査したところ、使い方に不安を抱いている声が多かったことから、大尾嘉氏はサポート面にも力を入れる方針を示している。
5月には、すでにスタッフが自宅を訪問して申込時の疑問などを解消しながら契約できる「出張申込サポート」を提供しているが、大尾嘉氏はさらに「テクノロジで物理的な制約を超えた体験を提供したい」という。そこで新たに、チャットや電話に加え、リモートでスマートフォンに指示を出しながら、操作をサポートしてくれる「あんしんリモートサポート」(月額500円)を7月中旬より提供するとしている。
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