Dropboxは、カリフォルニア州サンフランシスコで開かれた報道機関向けイベントで、同社のソフトウェアプラットフォーム、特にAppleの「iOS」向けモバイルアプリに関して、いくつかの機能を追加すると発表した。
その中でも最も注目すべきアップデートは、「Dropbox」アプリによる文書スキャン、そして、新たに操作ボタン類の真ん中に設けられた「+」ボタンでダイレクトに「Microsoft Office」文書を作成できる機能だ。
Dropboxの製品およびデザイン担当バイスプレジデントTodd Jackson氏は次のように述べている。「我々は個人のためにはワークフローをシンプルにし、チームのためにはワークスペースを一元化しようとしている」
ユーザーはカメラ付きスマートフォンを使って、スケッチやレシピ、プリントアウト書類、メモ用付箋紙などの文書をスキャンして整理できる。このようなサービスは、iOSおよび「Android」向けに「Evernote Scannable」や「CamScanner」といった同種のアプリによって提供されている。だが、今回加わった機能はDropboxにネイティブにビルトインされており、ユーザーはスキャンした文書内のテキストやキーワードの検索もできる。
加えて、DropboxとMicrosoftはかなり以前からのパートナーであり、Officeスイート経由でDropboxへ、あるいはその逆方向のアクセスなど、すでにある程度の統合は行われている。だが、米国時間6月22日のアップデート以降、ユーザーはDropboxの画面下の中央に新設された「+」ボタンをタップすることで、アプリ内から直接、Microsoftの「Word」「PowerPoint」「Excel」の文書をシームレスに新規作成できるようになる。このようにして作成したファイルは、Microsoftのアプリを使ってさらに編集することも可能だ。
当面、これらの機能はiOS向けの「Dropbox」アプリでのみ利用できる。同社はこうした新機能が今後Googleの「Android」にも提供されると明言したが、具体的な予定は示さなかった。
また、「macOS」と「Windows」のデスクトップ向けに、Dropboxはグループ間でファイルを共有し、共同作業を行うための機能をさらにいくつか追加した。今後、ユーザーはファイルの特定の領域にコメントや注釈をつけることができるようになる(これはコンテンツの中でも図や写真などに関して特に便利に使える機能だ)。さらにコメントなどをつけたファイルは、それぞれのDropboxアカウントにログインした個人と、ダイレクトに共有できる。これまでは共有できるのはフォルダだけで、誰かにあるファイルにアクセスしてもらいたい場合は、固有のDropboxリンクを送る必要があった。だがこれからは、ウェブブラウザでDropboxを立ち上げる代わりに、そのファイルを右クリックする方法でも、自分のデスクトップでコンテンツをダイレクトに共有可能になる。
Dropboxは今回の報道機関向けイベントで、企業ユーザーに役立つ複数の新ツールについても、そのさわりを披露した。これらの機能は2016年内にも導入される予定で、ファイルを以前のバージョンにリストアする機能や、編集や変更を追跡する、さらに包括的な監査ログなどがある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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