メルカリは6月13日、同社が運営するフリマアプリ「メルカリ」において、二次創作物の公式流通プラットフォームへの取り組みを開始すると発表した。その第1弾として、スマートフォン向けの位置情報ゲーム「Ingress」を運営するNianticと提携。メルカリのアプリでIngressの二次創作物の公式販売を同日より開始する。
この取り組みは、権利者がメルカリを介した二次創作物の流通に対し、限定的なライセンスとロイヤリティを設定することで、売買が公式に認められるというもの。権利者は正しいライセンスの利用とユーザーの自由な創作活動を推奨できるとしている。権利者へのライセンス許諾料は、二次創作物の出品者との取引成立時に支払われる。
今回のNianticとの提携によって、同日よりメルカリのアプリ内に設けられる「Ingress」専用カテゴリに出品される二次創作物について、Nianticは二次創作物(Tシャツ、パーカー、ステッカー、タオル、扇子、手ぬぐい、スマホケースなど)の作成と販売にかかる限定的なライセンスを付与する。
商品の売上には、ライセンスの対価としてNianticより10%のロイヤリティ(版権利用料)が課せられる(メルカリの手数料10%は別途発生)。また、Nianticが不適切と判断したものに関しては、ライセンスの取り消し・削除・注意などをして、健全なやりとりを促す。
メルカリでは、これまでも権利者保護プログラムを提供しており、200以上の権利者と協力体制を築いて、知的財産権を侵害する商品を削除するなどしてきた。そうした取り組みを強化しながら、今後は二次創作物の流通におけるプラットフォームを目指すとしている。
では、なぜNianticと組んだのか。メルカリ広報によれば、もともとメルカリ代表取締役社長の山田進太郎氏と、Nianticの川島優志氏は、大学時代の知り合いで親交があったのだという。また、ユーザーコミュニティが活発なIngressでは、二次創作物を交換する頒布会などが定期的に開催されており、Nianticもそうした表現活動は応援してきた。しかし、第三者への頒布で金銭が発生する場合には、営利性の判断が難しいことが課題となっていたため、メルカリを通じて販売できるようにしたとしている。
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