オンラインメディア企業Gawker Mediaは、プロレスラーのHulk Hogan氏と繰り広げていた法廷闘争が原因で打撃を受け、破産保護を申請するとともに同業のデジタル出版社Ziff Davisへの売却に合意した。
Gawkerは米国時間6月10日、米連邦破産法第11章の適用をニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所に申請した。売却は、裁判所監督の競売を通じて実施されていることから、ほかの入札者がより高い買収額を提示する可能性がある。PC Magazineの親会社であるZiff Davisによる提示額は、約9000万~1億ドルと報じられている。
大きな話題となったこの訴訟は、報道の自由とセレブのプライバシーを守る権利とを対立させた。しかし、同訴訟がいっそう複雑化したのは、シリコンバレーの資産家Peter Thiel氏が5月、Hulk Hogan氏の訴訟における裁判費用の援助を認めたためだ。Gawkerの破産申請に伴い、Gawkerに深刻な打撃を与えようとしたThiel氏のキャンペーンが、ほかの出版社にも委縮効果を与えるのかどうかという問題が投げかけられている。
Gawker Mediaのオーナー兼創設者のNick Denton氏は電子メールによる声明で、「われわれは、今回の訴訟で、長年にわたる独立性を放棄するよう強く求められてきたが、当社の記者は真実を伝えることに注力し続けており、それらが数百万人の読者の信頼を支えている」と述べた。
Gawkerによる破産申請は、Terry Bollea氏(プロレスラーHulk Hogan氏の本名)を最大の債権者としている。Bollea氏は3月、同氏と友人の妻のセックス動画をGawkerが公開したと主張し、Gawkerに1億4000万ドルの損害賠償を命じる陪審評決を勝ち取っている。破産保護により、Bollea氏がGawkerの資産を差し押さえることは認められていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
パナソニックのBioSHADOWが誘う
心地良い室内空間のつくりかた