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ソニーが裏面照射センサをフルサイズに使った狙い--α7R IIがカメラグランプリ2016大賞

山川晶之 (編集部)2016年06月02日 18時24分
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 カメラ記者クラブとカメラグランプリ実行委員会は6月1日、「カメラグランプリ 2016」の贈呈式を開催した。

 カメラグランプリは、毎年4月1日から翌年の3月31日までに国内で発売されたカメラ機器を表彰する賞。国内12媒体が加盟するカメラ記者クラブが主催し、カメラグランプリ実行委員会による運営のもと、選考委員を組織している。1984年の第1回から数えて2016年で33回目の開催となる。

カメラグランプリ 2016を受賞したカメラ、レンズたち
カメラグランプリ 2016を受賞したカメラ、レンズたち

 今回のカメラグランプリで大賞を受賞したのは、ソニーのフルサイズセンサ搭載ミラーレスカメラ「α7RII」。受賞盾を受け取ったソニーの田中健二氏は、「製品名の赤い印字のRは、レゾリューションにチャレンジした証。解像度はエッセンシャルな要素だが、これを研ぎ澄ますと感度が犠牲になる。相反する要素を持ちつつ、4200万画素の解像度、最高感度ISO10万の2つにチャレンジしたことを評価して頂けたのなら非常に嬉しい」とコメントした。

 また、「このカメラの重要なデバイスとして、世界初のフルサイズ裏面照射イメージセンサがある。開発当初の企画から設計まで、苦しい思いをしながら量産までこぎつけた。このイメージャーは熊本で作っている。大地震で多大な被害をこうむった中、現地では復興に向けて大変努力している。彼らに対しても頑張っていきたい」と述べた。

 α7RIIの開発秘話について同社中島健氏は、「裏面照射センサは、コンパクトカメラでは実用化していた技術で、おもに感度不足を補うために採用されてきた。ただし、大型センサでは目的が異なる」と述べ、「フランジバックが短く、レンズとセンサ面の距離が近いため、イメージセンサに浅い角度で光が入射してくる。α7Sのようなセルのサイズが大きいセンサではあまり問題にならないが、4200万画素という多画素だと斜入射特性を確保できない。短フランジバックで“42メガ”はぞっとするもの」として、裏面照射センサの採用は必然だったという。

 「センサに像面位相差の構造を弊害無く盛り込むには、裏面照射の技術が必要だった。その後の苦労はあまりに多くて説明はできないが、『こんな映像が撮れるなんてビックリした』というユーザーの顔を見ると、苦労も吹き飛ぶ」と述べた。


ソニーの田中健二氏(右)

「α7RII」

 レンズ賞を受賞したのは、オリンパスの「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」。“手持ちで600mmF4”をテーマに開発されたレンズだ。受賞盾を受け取ったオリンパスの斉藤祐一氏は、「OM-DとM.ZUIKO PROレンズで、一眼市場にシステムモビリティを浸透させつつある。この価値をもっとも体現するレンズとして、換算600mmF4を手持ちで撮影できるというシンプルなコンセプトを評価して貰ったと思っている」と述べた。

 また、「このレンズを開発するにあたり、開発陣で600mmのレンズを使ってみることにした。野鳥や動きものなどを撮影した感想を聞いたところ『写りはいいが重くて…』との声があり、機動性というキーワードが上がってきた。600mm相当のレンズを可愛い女の子が軽く扱っているというイメージも浮かんだ」という。また、同社初のレンズ内手ぶれ補正機構を搭載したモデルであり、「5軸シンクロ手ぶれ補正」による安定した撮影を可能にした技術も評価してもらえたのではとした。


オリンパスの斉藤裕一氏(右)

「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」

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