DMM.comは6月1日、クラウドファンディング事業に参入したことを発表した。米国の代表的なクラウドファンディングプラットフォームである「Kickstarter」や「Indiegogo」への、国内からのプロジェクト申請を支援するサービス「DMM Starter」を開始した。
同日の記者発表会の冒頭では、DMM.com 会長の亀山敬司氏が登壇。「(社内の)若いやつがやりたいと言ってきた。儲かるのかよくわからないけれど、応援してあげてください」と挨拶した。プロジェクトの対象ジャンルについては「何でもやるので、持ってきてください」とした。
KickstarterとIndiegogoの2サービスの累計プロジェクト数は90万を超え、これまでの支援者数は1300万人以上、累計調達額は3000億円以上となっている。日本からこれらの海外クラウドファンディングを利用するメリットは大きく3つ。(1)資金調達、(2)海外でニーズがあるのかを把握できるマーケティング、(3)リリース前から話題性を獲得できるプロモーションだ。
その一方で、対象国の身分証や銀行口座が必要なほか、申請の際の言語コミュニケーションなどの課題がある。DMM Starterではネイティブスタッフによって、こうした煩わしい申請やプロジェクトページの更新を代行する。過去の成功事例から最適な目標金額やページ構成もコンサルティングするという。
さらに資金調達後には、秋葉原にあるものづくりの拠点「DMM.make」などを活用した、商品の製造・量産や改修、購入者への配送、販路の開拓、国内外のプロモーションなどを支援するとしている。プロジェクト参加者は、コンサルティング費用や海外クラウドファンディングでの成果報酬をDMM Starterに支払う。
サービスの提供にともない、AWESOME JAPAN、ライトアップ、サイバーエージェント・クラウドファンディング、バリュープレス、Cerevo、ABBALab、サイバーエージェント・ベンチャーズの7社と連携する。
DMM Starterは、AWESOME JAPAN(AJ)が運営する「海外クラウドファンディングプロジェクト申請支援サービス」を拡充させる形で提供する。AJは過去に、家庭用ゲーム「シェンムー」の最新作となる「シェンムーIII」のKickstarterプロジェクトで8億円の資金調達を達成した実績を持つ。
ライトアップとは助成金の申請支援サービスを提供する。また、サイバーエージェント・クラウドファンディングとは、国内のクラウドファンディングである「Makuake」で実績を作ったうえで、海外展開する流れを作る。バリュープレスとは、プレスリリース配信を始めとするプロジェクトのPR面で手を組む。
Cerevoは、プロジェクトにおける新製品の開発に必要なノウハウや技術面をサポート。ABBALabは投資支援のパートナー企業として、資金や活動拠点の提供、技術やスキル教育を支援する。サイバーエージェント・ベンチャーズは、資金や事業戦略立案において支援するとしている。
第1弾となるプロダクトは、PCのカメラに映った体の動きで音楽を奏でる楽器アプリ「KAGURA」、自分で組み立ててプログラミングできる子ども向けのPCキット「IchigoJam」、3Dプリンタで製作した東京の立体地図パズル「ONEHUNDRED TOKYO」、車の運転中に位置情報と連動して眠気を抑えるカフェインを気体で自動噴霧するIoTデバイス「Scent Medical」など。7~8月から海外クラウドファンディングに申請する予定だという。
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