このところ、SNS周りで不穏なニュースが続いている。アイドルやタレント、女優バレの自宅ばれや不正アクセスなどの被害が相次いでいるのだ。たとえば、AKB48チームBの副キャプテンを務める大島涼花さんが自宅バレの危険にさらされたことをご存じだろうか。彼女はTwitterで「ライブ中継での応援、お願いします」とランニングアプリ「Runtastic」のリンク付きでツイートし、個人的な位置情報をさらしてしまった。
Runtasticは、GPSを起動してトレーニングし、成果を分析・シェアできるアプリだ。地図上に走行ルートが表示されるため、始点または終点が自宅である可能性は高く、記録を見ることによって大まかな自宅の場所が推定できてしまうのだ。現在はこのツイートは削除されているが、かなり危険な行為だったことが分かるだろう。
女優の長澤まさみさんや武井咲さん、北川景子さんなどのFacebookやiCluodのアカウントに不正アクセスし、勝手に情報を盗み見ていた会社員が逮捕される事件も起きた。芸能人や女優などは個人情報が公式サイトなどに掲載されており、IDやパスワードが類推しやすい。
会社員は、公式サイトなどから情報を得てIDとパスワードを推測して入力を繰り返し、ログインに成功したアカウント情報でさらに不正ログインを繰り返し、個人的な写真などを盗み見していたというわけだ。
若い世代、特に10代はこのような個人情報の流出や管理に関して無頓着な傾向にある。しかし、それには当然大きなリスクが待ち受けている。リスクと対策について考えていきたい。
前述のRuntasticと同様のアプリに「Nike +Running」があるが、このような大まかな位置が類推できてしまうアプリは多い。筆者のSNS内の友人も、ランニングをする度にNike +Runningの記録をシェアしているが、「自宅から子どもの学校まで走ったのかな」「外出先から自宅まで走ったのかな」と推測できてしまう。「友達まで」公開となっているが、もし一般に公開していた場合、毎日のログを見ていれば終点か起点がある地点に集中しており、そこが「自宅」なのは容易に気がつくだろう。
10代、20代女性に人気の「Instagram」でも位置情報は漏れている。Instagramでは写真に位置情報を含めることができる。地図に写真を配置できる「フォトマップ」機能によって自宅バレ問題が起きていたことをご存じだろうか。
一度、観光地などでこの機能をオンにしたまま撮影したとする。観光地なら位置情報は付与されていても問題はない。しかし、その後自宅などで撮影した場合もフォトマップ機能は基本的にオンとなっており、それによって自宅の位置が分かってしまうという問題が起きていたのだ。
アプリの機能により流出するだけでなく、自ら漏らしているケースも多い。高校2年生女子A子は、「今起きた」「電車混みすぎ」「学校に着いた」など、逐一ツイートする。制服姿写真も公開しており、名前もアルファベットだが公開している。ある帰り道、学校の最寄り駅で「A子さんですよね」と見知らぬ男に抱きつかれた。幸いにも、近くにいあわせたサラリーマンに助けを求めて事なきを得たという。
この例などは、個人情報の出しすぎが原因となっている。顔写真だけでなく制服姿なども公開していたため、学校名も簡単に特定できる。ツイートによって、行動範囲や居場所、時間帯なども筒抜けとなっていたのだ。しかも、鍵もかけず誰からも見られる状態となっていたため、見知らぬ男にストーカーされてしまったというわけだ。
10~20代男子に人気のパズドラの新アプリ「パズドラレーダー」でも、マップ画面上で現在地の座標(緯度経度)が表示されており、画像公開によって自宅の場所が分かってしまうと話題となっていた。その後、位置情報公開はオフにできるようになったが、手動で設定しなければいけないので注意が必要だ。
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