家庭での精巧な物作りを可能にする3Dプリンタだが、融かした樹脂を幾重にも重ねて成形する方式のプリンタの場合、出力した物の表面は滑らかさに欠ける。出力後に研磨などすればよいのだが、手間も時間もかかり、家庭用3Dプリンタのメリットが失われてしまう。
しかし、独特の3Dプリンタ用フィラメント「PolySmooth」とPolySmooth用加工機「Polysher」を使うと、まるで磨き上げたように滑らかな表面の物体を家庭用3Dプリンタで作れる。現在クラウドファンディングサービス「Kickstarter」で支援募集中。
PolySmoothは、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂が主原料の、熱溶解積層法(Fused Deposition Modeling:FDM、Fused Filament Fabrication:FFF)3Dプリンタで使える素材。FDM方式とFFF方式のプリンタでよく使われるポリ乳酸(PLA)樹脂と同じように使用可能でありながら、アルコールに反応して表面が滑らかになる性質を持つという。
このPolySmoothで成形した物の表面を滑らかにするには、Polysherを使う。3Dプリンタで作った物をPolysherに入れると、イソプロパノールまたはエタノールの微細な霧が発生し、表面をツルツルに仕上げてくれる仕組みだ。研磨機と違って大がかりでなく、家庭でも無理なく使えるだろう。
PolySmoothフィラメントは、現在11色用意されている。
Kickstarterでの支援受付期間は日本時間5月26日まで。記事執筆時点(日本時間5月17日10時)でキャンペーン期間は8日残っているが、すでに目標金額10万ドルの3倍を上回る36万ドル以上の資金を集めている。
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