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ドコモ、2011年度以来の「増収増益」--業績回復の要因は

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 NTTドコモは4月27日、2015年度(2015年4月~2016年3月)通期での決算説明会を開催。売上高が前年度比3.3%増の4兆5271億円、営業利益が同22.5%増の7830億円と、2011年度以来の増収増益を達成したことを明らかにした。

決算説明会に登壇するNTTドコモ代表取締役社長の加藤薫氏
決算説明会に登壇するNTTドコモ代表取締役社長の加藤薫氏

 業績回復の要因の1つは、通信事業の収益改善が進んだことにある。純増数は前年度比1.3倍の437万台に伸び、番号ポータビリティ(MNP)の転出数も前年度比7割減の10万と、大幅に減少している。解約率は0.62%と低水準で横ばいだが、ドコモ代表取締役社長の加藤薫氏によると、「『dカード』や『ドコモ光』などを複数契約している人の解約率は半分くらい」とのことで、複合的な施策が解約防止へとつながっているようだ。

純増数やMNPの転出数は大幅に回復しており、解約率も低水準が続く
純増数やMNPの転出数は大幅に回復しており、解約率も低水準が続く

 業績悪化の要因となっていた新料金プランも、4月12日に契約数が3000万契約を突破したことに加え、「データMパック」以上のプランを契約するユーザーが約9割に達したとのこと。さらに、1Gバイトの追加データ購入率は約3割に上るとしており、データ通信利用の拡大によって新料金プラン導入の成果がようやく現れてきたようだ。ARPU(1人あたりの月間売上高)もデータ通信とドコモ光の利用増加により、第1四半期には4010円だったものが、第4四半期には4260円にまで拡大。減少傾向にあった1年前と比べ大幅な改善が図られているのが分かる。

新料金プランの契約数は3000万を突破。データ通信利用の増大で、上位プランへの移行も順調に進んでいるようだ
新料金プランの契約数は3000万を突破。データ通信利用の増大で、上位プランへの移行も順調に進んでいるようだ

 2つ目の要因は、スマートライフ領域の大幅な成長だ。スマートライフ領域の利益は、mmbiの現存損失を除くと、前年度比約2.4倍の787億円に達するとのこと。中でも伸びているのが、あんしん系サポート事業と、コンテンツサービス事業だという。実際、コンテンツサービス事業の主力を占める「dマーケット」は、月額課金サービスの契約数が1554万契約に達するほか、1人当たりの利用料も前年度比1.2倍の1370円にまで伸びているなど、好調な様子を見せている。

スマートライフ領域は営業利益が倍以上に拡大している
スマートライフ領域は営業利益が倍以上に拡大している

 オークローンマーケティングやABC Cooking Studioといったグループ会社の業績も好調に伸びているほか、パートナー企業とのオープンなコラボレーションで新しい価値を創造する「+d」の取り組みについても、2015年度は49件、さらに4月21日時点では53件まで増えているとのこと。一方「dポイント」に関しては、「dポイントクラブ」の加入者が約5800万であるのに対し、「dポイントカード」の登録数は366万と大きく伸びている訳ではないことから、「より増やす必要がある」と加藤氏は話している。

 そしてもう1つ、業績回復に大きく寄与しているのがコスト効率化である。今年度もあらゆる分野でのコスト削減に取り組んだことで、計画より200億円上積みとなる2400億円の削減を達成。2014年度と合わせると3600億円と、大幅なコスト削減に成功している。

 会見では、新年度となる2016年の業績予想も発表された。売上高は2015年度より929億円プラスとなる4兆6200億円、営業利益は1270億円プラスの9100億円と、増収増益を見込んでいるという。ただし、営業利益については、2016年度より減価償却方法を定率法から定額法に変更する関係で、500億円プラスされることを織り込んでおり、その影響を除いた場合の利益予想は8600億円になるとしている。

2016年度の営業利益は、減価償却方法変更の影響を除くと、2015年度比で770億円増の8600億円を見込んでいる
2016年度の営業利益は、減価償却方法変更の影響を除くと、2015年度比で770億円増の8600億円を見込んでいる

 また2016年度からは、利用が少ないユーザー向けの「シェアパック5」や、2年契約後に選択できる、解除料なしで解約できる「フリーコース」、そして長期利用者向けの「ずっとドコモ割」の拡大など、一連の総務省要請によって提供を開始した料金プランやサービスの影響を大きく受けることとなる。ドコモはその影響を年間で700億円の減収と見込んでいるが、それらを織り込んでもなお、増収増益を達成できると見込んでいるようだ。

 そして、この予想通りに業績が推移すれば、2017年度の達成を目指していた中期目標を、1年前倒しで達成することになる。加藤氏は「ドコモとして躍動したいという思いを込め、事業運営方針に“躍動”という言葉を入れている。2016年度はその先に向かう躍動の年にできたらと思っている」と話し、目標達成に向けて自信を見せた。

2016年度の業績を予想通り達成できれば、中期目標を1年前倒しで達成することになる
2016年度の業績を予想通り達成できれば、中期目標を1年前倒しで達成することになる

 同日には、4月14日から16日にかけて発生した熊本地震に関する、被災・復旧状況についても説明した。ドコモの基地局は、4月16日の本震発生時に最大で84局が被災したが、衛星移動基地局や、既存の基地局を用いてエリアを広げ、被災したエリア周辺をカバーする「中ゾーン基地局」の活用で、早急に被災エリアをカバー。さらに復旧が遅れていた立ち入り禁止区域内も、最近になって復旧作業ができるようになったことから、4月27日時点ですべてのエリアを復旧したとしている。

熊本地震の本震発生時には84局が被災してサービスが中断したが、4月27日にはすべてのエリアを回復させている
熊本地震の本震発生時には84局が被災してサービスが中断したが、4月27日にはすべてのエリアを回復させている

 しかし、現在も現地では余震が続いており、熊本県内に38あるドコモショップのうち、6店舗が休業しているとのこと。4月24日に被災地を訪れたという加藤氏も、「被災状況は実際に見るのと、聞いているのとでは大違いだ。今後も気を緩めることなく、関係各所と連携しながら頑張っていきたい」と話し、継続して支援にあたる姿勢を示した。

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