有力なプライバシー擁護団体の電子フロンティア財団(EFF)が、米司法省を相手取って訴訟を起こした。政府が企業に対し秘密裏に顧客のデータの暗号解読を行うよう命じた事例の有無を明らかにするのが、訴訟の目的だ。
米国時間4月19日付のブログ投稿で、EFFは、国による捜査に許可を与える役割を持つ非公開の外国情報監視裁判所(Foreign Intelligence Surveillance Court:FISC)に、企業にデータの暗号解除を要求する命令を求めたり、実際にそうした命令を得たりしたことが過去にあったかどうか、米国政府は情報を開示しなければならないと述べた。
このような命令が実行されていれば、「多数の人々が使っているデバイスの安全性とセキュリティを損なうおそれがある」と、EFFでは述べている。
オンラインで公開された訴状は、これほどの影響範囲と規模を持つ命令は、公開されるべきであると主張している。
EFFは、2015年に「愛国者法」の一部を置き換える形で成立した新しい「自由法」にもとづき、政府はワシントンDCにある非公開の裁判所、FISCによる「重要な」判断の機密扱いを解除する義務があるとしている。
今回の「情報自由法」(FOIA)に関する訴訟は、米国政府とAppleによる公開の場での争いが終結してからわずか1カ月後というタイミングで起こされた。Appleは、サンバーナーディーノで起きた銃乱射事件の容疑者の1人が使っていた「iPhone」のロック解除に関して、同社の最近のスマートフォンは所有者以外の誰もロックを解除できないように作られているとして、法執行機関への協力を拒否していた。
米ZDNetは2016年3月に、米国政府がFISCを通じて複数の技術系企業にソースコードの提出を要求したと報じた。企業のソースコードを手に入れれば、捜査機関や情報収集機関がセキュリティ上の欠陥や脆弱性を見つける作業はずっと容易になる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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