Viceが報じたところによると、端末間で送られる通信内容を復号または解読するキーを使ってカナダ警察が「BlackBerry」端末のメッセージにアクセスする作業に、BlackBerryが協力していたという。これは、Appleのような企業が「作りたくない」と明言している暗号化のバックドアと基本的に同じものだ。
BlackBerryの最高経営責任者(CEO)兼エグゼクティブチェアマンのJohn Chen氏は米国時間4月18日、「この一件は、結果として大規模犯罪組織の解体につながった。BlackBerryの支援に関しては、合法的なアクセスの原則が守られたことを、あらためて断言できる」とブログ投稿で述べた。
犯罪に関わるメッセージの傍受と解読に使用したとされるバックドアに警察が現在もアクセスできるのかどうかを含めて、BlackBerryが法執行機関の捜査に参加したというViceの報道は事実かという質問に対し、BlackBerryはコメントを拒否した。Viceは、このバックドアにより、膨大な数の携帯端末にアクセスできる可能性があると報じている。
Chen氏は、法人向け携帯電話端末から送られたメッセージは解読できない、とも述べている。法人向け端末は、同氏が「侵入不可能」と断言する「BlackBerry Enterprise Server」に接続されている。
Appleは、同社のスマートフォンの暗号化に対して汎用的な回避策を設けると、すべてのユーザーがハッキング被害に遭いやすくなると主張してきた。一方、米司法省をはじめとしてAppleの姿勢に批判的な人々は、同社が賛否両論のある暗号化の問題を製品のマーケティングに利用しようとしているとの考えを示している。Chen氏のブログ投稿からは、同氏が後者の意見に同調しているように思われる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス