日本を代表する伝統芸能の1つである文楽のアイデアを元に開発された「黒子ロボット」が、3月30日から4月2日までグランフロント大阪で開催の「うめきた未来ラボ」で展示されている。人形浄瑠璃で黒子が人形を動かすような操作でロボットの動きをダイレクトに入力し、再現できるというユニークなシステムが採用されている。
黒子ロボットの大きな特徴はロボットを動かすシステムがロボット本体の外にある点だ。開発を行ったマッスルの玉井博文氏は「システムとキャラクターを切り離すことでシステムだけを量産してロボット開発コストを大幅に削減でき、キャラクターも自在に変えられる」と説明する。
ロボットを動かすのは、”クールマッスル”と呼ばれるインテリジェントドライバを搭載した一体型ACサーボシステムで、頭や腕などの駆動部にそれぞれ1つずつ、計12のクールマッスルが使われている。腕や頭を動かす動作(モーション)もクールマッスルが記憶するので、面倒なプログラミングは一切不要だ。
パソコン1台あれば操作でき、動きはハードディスクの容量次第で何時間分でも記憶させられるという。キャラクターにあわせて稼働部を増やしたい場合はシステムを追加することも可能だ。コンピュータに直接動きを登録することもでき、「かなり細やかな動きも記録させられるので、将来は人形師がロボットに自分の技を記憶させて後世に伝えられるようにもしたい」と玉井氏は説明する。
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