歴史的悲劇が育てるカンボジアのたくましいバイク便スタートアップ - (page 2)

事業構築とともに、後進を育成するための勉強会も

 Joonaakの事業アイデアは、Jay氏が米国留学からカンボジアに帰国した際に感じた、Eコマースサービスのレベルの圧倒的な差から生まれたものだ。Jay氏は、その差を埋めるためにカンボジアの物流インフラを充実させる必要があると感じたそうだ。

 しかし、創業した当時は4人とも大学を卒業したばかりで、そのアイデアをビジネスに変えるためにはノウハウも資金も足りなかった。そこで、創業者の1人であるPuyhoung Loch氏の提案を受け、首都プノンペンで開催されたスタートアップイベント「Startup-Weekend」に2014年に出場し、準優勝。彼らのビジネスは加速していった。

Joonaakの創業者たち(「Geeks in Cambodia」より引用)
Joonaakの創業者たち(「Geeks in Cambodia」より引用)

 冒頭で述べた通り、カンボジアにはビジネス経験の豊富な人材が不足している。そのため、Jay氏のようなリーダー人材は若くして後進の育成に取り組まなければならない。

 Joonaakには現在10人の配達員がいるが、Jay氏は自らが培ってきたビジネスの知見を彼らに共有するための勉強会を率先して開催している。「ただの配達員としてではなく、カンボジアの今後の経済を担うビジネスパーソンとして、彼らを育てていきたいという思いがある」と、Jay氏はGeeksinCambodia誌の取材で語っている。

 同国のビジネス環境が抱えるハンディキャップが、Jay氏のような、事業を構築しながら後進の育成にも励む、若くたくましい起業家を育てている。

(編集協力:岡徳之)

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