ドワンゴは3月18日、DigitalVideoが開発したアニメーション制作ソフト「Toonz」を買収したと発表した。ドワンゴがToonzを元にしたオープンソースプラットフォームを開発し、公開するという条件のもとに合意したという。
ドワンゴは、Toonzを元にオープンソースソフトウェアを開発。改良できる形にしたうえで「OpenToonz」として、3月26日より無償公開する。
OpenToonzには、Toonzを利用してきたスタジオジブリが独自に開発した、Toonz向けの機能(Toonz Ghibli Edition)が含まれる。また、ドワンゴの人工知能技術を使ったOpenToonz向けのエフェクトや、エフェクトを追加できるプラグイン機能を新たに搭載する。
OpenToonzを通じて、アニメーション制作に関連するさまざまな研究成果を即座に制作現場に活かせるようなプラットフォームを作り、学術研究と映像産業が活発に連携できる環境を提供したいとしている。
スタジオジブリ エグゼクティブ イメージング ディレクターの奥井敦氏は、「1995年『もののけ姫』制作時に一部をデジタル制作するため、当時使用できたソフトから選定したのが『Toonz』です。混在させても違和感がなく、劇場クオリティでもストレスなく作業できることが条件でした。以降、メジャーバージョンアップも乗り越え、より使いやすく改良を重ねながら使用してきました。今回のオープンソース化にあたり、Ghibli Editionも提供できることになりました」とコメントしている。
また、DigitalVideo マネージングディレクター/Toonz開発者のClaudio Mattei氏は、「Toonzをオープンソースプラットフォームにし、アニメーション業界に提供するというドワンゴとの契約は、Toonzを2Dアニメーション業界の標準にするというDigital Videoの戦略がひとつの到達地点に達したものと考えています」とコメントした。
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