ウェブ接客プラットフォーム「KARTE(カルテ)」を運営するプレイドは3月17日、サイト内だけでなくサイト外の顧客ともコミュニケーションできるようになる新機能「KARTE TALK(カルテトーク)」の提供を開始した。大~中規模企業向けのエンタープライズプランから段階的に提供するとしている。
KARTEは、ウェブサイトに数行のコードを埋め込むだけで、サイトの来訪者の特徴や行動をリアルタイムに解析して可視化し、個々の来訪者にあわせたメッセージ配信を可能にするサービス。サイトへの流入経路や来訪回数、購入経験の有無、購入金額などを把握でき、これまでは主にECサイト向けに提供されてきた。
サービス開始から1年が経った2016年3月12日時点で、導入社数は845社となっており、ミズノ、PUMA、Zoff、セゾンカード、ディー・エヌ・エー、UNITED ARROWSなどのECサイトやウェブサイトに採用されているという。最近では、EC事業者以外にも、不動産や人材、金融機関などからも引き合いがあるそうだ。同社では、特にプロモーションなどを実施しておらず、口コミを中心に導入企業が増えているという。
「思った以上に幅広い領域の企業に導入いただき、成長角度が変わっていく手応えを感じられる1年だった」――こう語るのは、プレイド代表取締役社長の倉橋健太氏。同社は、この1年で社員数が約2倍の30人に増加。これまではエンジニアが中心だったが、現在は営業やアライアンスなどビジネスサイドの人材も積極的に採用しているという。
これまでKARTEでは、ウェブサイトに表示する「ポップアップメッセージ」を唯一の接客手段として提供してきたが、新機能のKARTE TALKによって、この手段を大幅に拡充。ウェブサイトで使用するチャットのほか、LINE、SMS、メール、Facebook通知、ブラウザ通知、スマホ通知の7つの手段をプラグインとして提供する。
この機能により、たとえばECサイトで買い物カゴに商品を入れたまま離脱した顧客に対して、メールやFacebook通知、LINEなど(顧客が許可した場合に限る)で、個別または一括で購入を促せるようになるという。チャットの続きをLINEやメールに切り替えることもできるほか、記載したリンクからウェブサイトに再訪してもらうことで、チャットの続きを再開することも可能だという。特定の条件に合致したタイミングでメッセージを送信するトリガー配信機能も搭載する。
さらに、これらの異なるコミュニケーションを、1つのタイムラインで一元管理できることも特徴だ。導入企業は、用意された7つのプラグインの中から必要なものだけをオプションとして選択できる。今後は自動応答機能を追加していくほか、他の外部サービスとの連携も進めるとしている。
現在、ウェブにおけるコミュニケーションは多様化しており、企業がこれらのツールに対して個別に対応することは困難なほか、複数のツールに分散して顧客情報を管理することが、顧客との関係性を深める障害になっていると倉橋氏は指摘。KARTE TALKによって、コミュニケーションを一元管理し、顧客1人1人を理解して接客できるようになると説明した。
「KARTEには、個人をリアルタイムにビジュアライズするコアがあり、どんなデータでもそこに入れれば人軸で解析できて、どんなアウトプットにも繋げられるハブになった。チャットが、メールがという話ではなく、ウェブを介したコミュニケーション自体を再定義したい」(倉橋氏)。
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