「2016年に『VR(バーチャルリアリティ)』が来るか来ないかと話されているが、少なくとも(VR)ゲームはすぐそこまで来ている。2016年はVR元年として、参入するタイミングだ」。
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は3月16日、「PlayStation 4(PS4)」用VRデバイス「PlayStation VR(PS VR)」の価格が税別4万4980円に決定したと発表した。発売時期は2016年10月。
3月3、4日に開かれた招待制イベント「B Dash Camp 2016 Spring in Fukuoka」ではVRに関するセッションがあり、モバイル向けゲーム開発などを手がけるモブキャストの代表取締役社長CEOである藪考樹氏、米Enhance GamesのFounder/CEOでゲームクリエイターである水口哲也氏が登壇。藪氏がモデレーターとなり、PS VRを1つのきっかけとして広がるであろうVRビジネスの可能性を探った。
藪氏が紹介した米Tracticaの市場予測データによれば、拡張現実(AR)を含まないVR市場の規模は、2020年までに約2兆7000億円にまで成長するとされている。そのうち、ハードウェアやアクセサリを除いた「コンテンツ」の規模は約1兆7000億円で、さらに「ゲーム」に絞ると約6400億円規模になるという。
また、米Goldman Sachsの予測では、VRとARをあわせた市場の2025年の規模は3兆円を超え、特にゲーム市場が大きくなる見通し。水口氏は「10年後には、VRによる没入型から、ARによるソーシャル的なコンテンツまでが一般的になっている」と予測する。
水口氏がゲーム以外で注目するのが、音楽やスポーツのライブイベントに関連するものだ。技術が進歩すれば、イベントの“VR中継”などが始まる可能性も考えられる。技術面は「医療など高い解像度を要する領域がけん引していくことになる」と水口氏。これまでの開発経験を踏まえ、「感覚的に言うが、(VRのディスプレーの)解像度は、片目8Kがひとつの臨界点。それが10年以内に起こる」と見ている。
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