あの日から5年、企業が復興支援活動から学んだことは何か--Googleがシンポジウム

 Googleは3月7日、発生から5年を迎えた東日本大震災の復旧復興支援に関する同社の活動をまとめ、未来への示唆を議論するシンポジウム「震災から5年 未来への記憶、未来への学び」を開催した。

「パーソンファインダー」から始まった、Googleの5年間

 開会にあたって、Google日本法人の代表取締役であるピーター・フィッツジェラルド氏が、震災発生直後からこれまでの取り組みについて説明した。同社では、震災発生2時間後にネット上で安否情報の登録・確認ができる「パーソンファインダー」を立ち上げ、それらを中心とした情報ポータル「Google Crisis Response」を開設。

 また、被災地の被害状況や復興へ向けた歩みを世界に発信し、後世に伝える取り組みとして、継続的なGoogleストリートビューによる被災地の撮影・アーカイブを進め、また被災地の経済復興をサポートする取り組みとして、自治体や事業者のニーズを有志(サポーター)のノウハウやスキルで支援するクラウドマッチングプラットフォーム「イノベーション東北」を立ち上げ、これまでに360以上の事業者、自治体が440件以上のプロジェクトを行ってきた。3月4日には、復旧復興支援に携わったさまざまな企業の経験や知見をまとめたウェブサイト「未来への学び」を開設している。

Googleの5年間の取り組みを紹介するピーター・フィッツジェラルド氏
Googleの5年間の取り組みを紹介するピーター・フィッツジェラルド氏

 フィッツジェラルド氏はこうした取り組みを振り返った上で、次のように語った。「5年前、ロンドンの自宅で震災発生のニュースに触れた私は、5歳の息子から“お父さん、日本のために僕たちは何ができるの?”と尋ねられたことを記憶している。それが、あのとき世界中の人々の共通の思いだった。そうした無力感を感じながらも、一方で日本にいる同僚たちが被災地のために全力で取り組んでいる姿を目の当たりにし、Googleとしても被災地のために貢献できることがあってよかったと感じたことを覚えている。Google Crisis Responseをはじめ、インターネットは大規模災害発生時に被災者の支援のために貢献できるということを実感することができた。東北への支援はこの5年でピリオドを打つわけではない。この5年で蓄積された知見を活用することで、インターネットを通じてより長期的な被災地の支援に取り組んでいきたい」。

  • 震災直後に立ち上がった情報ポータル「クライシスレスポンス」

  • 避難所にある紙の避難者名簿や安否情報約14万件を世界中のネットユーザーが協力して電子化した

  • 被災地の様子を2年ごとに継続的にGoogleストリートビューに記録している

  • 船や歩行用トレッカーなど様々な手段を使って被災地の模様を記録した

  • クラウドマッチングプラットフォーム「イノベーション東北」の概念図

  • これまで、360以上の事業者や自治体、1970名以上のサポーターが参加している

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